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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: 踊り子
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2024-04-06 23:01:06.0 2024-04-07 01:24:37.0テーマ:その他

天星(4)(ver6範囲までのネタバレ注意)

【 ここ天星郷へ向かって、
  ジア・クトの一個師団が
  侵攻中である 】


…天使長ミトラーによって、
突如もたらされた、不穏な情報。
この緊急事態に、
おれ達、冒険者の集う神都の酒場はー…



『『『 うおおおおッ!!! 』』』



…何故か、沸いていた。


『 考えようによっては好都合だよねー
  エックスさんの負担を減らせるよ。

『 おう、英雄達ばかりに良いカッコさせねえぜ!

『 このままお留守番じゃ、
  不完全燃焼もいいトコだったしな!

『 私達の世界は、私達が守らないと!

『 ンなのどーでもいいから暴れさせろォォッ!!


…などと。
不謹慎だが、まるでお祭り騒ぎの様相。
そんな光景を前に、おれも自然と口角が上がり、
士気が高まってゆくのを感じていた。


( そう、そうだった。
  これがおれ達、冒険者って人種だ。


…世界の為、誰かの為、そして自分の野望の為。
ここ天星郷に集う者、一人一人の思惑はきっと
十人十色なのだろうが…

それでも一つの目的の為、
楽しみながら一丸となる事ができる。
そのノリこそが、我々冒険者の
最大の強みなのである。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


天使長をはじめとする周りの天使達は、
この妙に盛り上がった場の空気感に、
しばらく呆気にとられていた。


『 て、敵将『ジア・イロン』は、
  神となった英雄でも苦戦する、
  か、幹部クラスの実力者らしいんだが…


『 心配しなさんな天使長!
  ワシらはサシで戦う訳じゃ無い!

『 そーそー、徒党を組んだ時こそが
  オレ様達の真骨頂なんだぜ?

『 徒党て…
  パーティと言いなさい、パーティと!

『 ヒマつぶしにはちょうどいいね。


次々と紡ぎ出される冒険者達の軽口に
返す言葉も思い付かないのか、
口をパクパクさせる天使長。

しかしその顔は次第に緩み、綻んでゆき…
ついには、盛大に吹き出してしまう。


『 ふ、あはははっ!
  これは参った!ふふ…!
  いや頼もしすぎるだろう、お前たち!


そして彼女は、
笑い涙だろうか…ミラーグラスの下を
さっと人差し指で拭うと、
この場をまとめるべく、
大きく息を吸い込むのだった。


『 よーし!野郎どもッ!!
  気合い入れろオラァッ!!

  これから私らは、ジア・イロン率いる
  ジア・クトの一団を迎え撃つ!

  そしてさっさと済ませて、
  何事も無かったかのように
  英雄達を迎えるんだ!!

  それが今回の……
  私らのクエストだッ!!


『『『 うおおおおおッ!!! 』』』



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


盛り上がる酒場の熱気に当てられそうになったので、風を求めて外に出ると…

酒場の様子を、
浮かない表情で遠巻きに眺めていたゲンを
偶然見つける。

おれは なんとなーく…
奴に歩み寄り、横に並ぶ事にした。


( ……


とはいえ…かける言葉を
咄嗟に思い付かなかったので、代わりに…

遥かな天星を、指差した。


『 …行くか?掴みに。 

『 …あ?



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


奴はしばらく、無言で空を見上げていた。


『 ……簡単に言ってくれるじゃねえか。

  へっ…しょうがねえから、
  死なねえ程度に付き合ってやるよ。


…そして視線を戻したゲンは、
いつもの気の置けない海賊に
戻っていたのだった。


『 あっ、いたいた!おーい!

『 ふん、まーた厄介な事になったな。
  ま、ここで燻ってるよかマシか。


近くから、仲間の吟遊詩人と魔族の、
聞き慣れた声が聞こえてくる。

おれはその声に、
大きく手を振って応えた。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


今回の、天星郷を巡ったおれ達の冒険。

その締め括りとなる
最後の戦いが、始まろうとしていた。


~つづく~
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