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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2024-04-14 11:21:24.0 2024-04-14 21:23:10.0テーマ:その他

天星(6)(ver6範囲までのネタバレ注意)

『 風が変わった…来るぞ。


いち早くジア・クトらしき気配を察した
ツキモリの囁きに応じ、武器を構えたおれ達。

その言葉を裏付けるように、程なく。

我々の陣取る深翠の試練場の、
その上空が突如、歪んだと思うと…
それまで何も無かった空間から、
突然『小舟のような乗り物』が姿を現したのだった。
帆は無い。機械のような物も付いていない様だが…
しかしその舟は、音も無くその場に滞空していた。


『 【トリフネ】…?


エルフの誰かが、息を飲んで呟く。

その一艘を皮切りに、謎の舟は瞬く間に、
次々と姿を現し続け…
最終的に試練場の上空は、数十艘の舟で
埋め尽くされたのだった。

そして、その舟に乗っていたのは…


『 どうやらお出ましの様だな。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 ん…?何だこいつら。
  メーダに…キラーデーモン…か?


…どこか見覚えのある魔物達。
しかしその全身は、まるでメッキが施されたような、金属質の輝きを纏っていた。

色合いは様々だが、デーモン型やメーダ型以外にも、セルゲイナス型やドラゴンライダー型等、
数種類確認できる。


『 コイツらが、ジア・クト念晶体…?

『 ただのピッカピカの魔物じゃねーか!

『 食玩とかで無かったっけ、こう言う
  メタリックなモンスターフィギュア!

『 スクエニショップでも売ってたわよ、
  たっかいやつ!


なんか…思っていたより馴染みある光景に、
何となく緊張感の緩む場の空気。
しかし、賢者の一人が、警戒の声をあげた。


『 情報によると、ジア・クト念晶体には、
  大きく分けて、二種類の
  個体が存在するようです!
 
  一つは、ジア・クトとして生を受けた、
  生粋の個体。

  もう一つは…魔物等が何らかの方法で、
  後天的にジア・クトとなったらしき個体。
  今確認できるのは、おそらく後者…!

『 いわゆるいつもの雑魚モンス…
  尖兵ってやつだな!


『 そのとおり…


我々の会話を、ふと、冒険者でも天使でも無い
何者かの、無機質な声が遮った。

『『『  !?  』』』

全員が、声の方向を注視する。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 ご機嫌よう。
  ゆりかごの末裔よ…

声の主…『それ』は、舟の内の一艘から
音も無く地上へと降り立った。

一見、ヒトの様にも見えるが…
やはり先程の魔物同様、
全身が不気味に煌めいていた。


( おそらくこいつが…
  生粋のジア・クト…!


『 お前が『ジア・イロン』かッ!!


誰かが、そう叫ぶ。
だが、そのジア・クトは、嘲るような笑みを
おれ達に向けてきた。


『 否定する。
  イロン様は、お前達のような脆弱な者共に、
  興味をお示しになられない。

『 なるほどな。
  お前ェさんはせいぜい、部隊長ってェとこか。
  敵将にしちゃ、覇気が無ぇと思ってたぜ。


隻眼のバトルマスターが、負けじと不敵な笑みで
大剣の切っ先を、ジア・クト側に突きつける。


『 ハハハハ…!
  笑わせるな、下等種族!

  侵略は、我らの本能。
  支配とは、我らの嗜み。

  …淘汰してやろう、
  我らジア・クト念晶体が!
  お前達、脆弱なる下等種族を!


ジア・クトが高らかに、不快な演説をする中、
ゲンの子分のサマーウルフが、
難しい顔で船長を見上げる。

『 なあ頭ァ、あいつ何言ってるんだワォン?
  おれにゃ難しくてわかんねーォン。

ゲンは短剣を構えながら、
目を細めて、くっくと喉を鳴らした。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 【ぶつ切りでオッケーです】、だとよ。

『 ワォン!そいつは簡単で ありがてえや!


『 ザラたん!お前も、
  相手がヒト型だからって、
  躊躇すんじゃねーぞ!チョロ甘野郎!


ゲンの言葉を受けて、おれは剣を握る手に、
力を入れ直す。


『 分かってる。あいつ等は…
  おれ達とは、絶対に相容れない存在だ!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


ヒト型のジア・クトの号令で、
魔物達が一斉に舟から降りてくる。

それに応戦する形で、おれたちも突撃を仕掛けた。

かくして、天星郷防衛戦における、
深翠の試練場での戦いは幕を開けたのだった。 


~つづく~
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