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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
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ザラターンの冒険日誌

2024-04-21 11:33:31.0 2024-04-22 00:13:42.0テーマ:その他

天星(8)(ver6範囲までのネタバレ注意)

おれの剣なら多分、ヒト型のジア・クトを
斬る事もできるはず。
魔剣をかざして そう粋がるおれに、
近くに居た壮年の守護騎士が目を輝かせる。


『 なんと!
  もしや貴殿も英雄ハクオウ殿の様に、
  ブルッツフォン・ポイント…あいや、
  物質の継ぎ目を突く あの伝説の神業を!?

『 い、いや…
  た、単に剣の性能で。

『 あっ…そ、そうであったか…
『 な、なんかすいません。

『 い、いや…ゴホン!
  で、では我々が道を切り開くから、
  貴殿は敵陣を一気に駆け抜け、
  ひ、ヒト型を叩くのだ…!

『 ありがたい!
( なんか…すいませぇぇん!


心なしかガッカリした様子の守護騎士から
守りの加護を受けたのを確認してから、
おれは、隊長格らしきヒト型をめがけ、
戦場を全力で駆けるのだった。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


味方のサポートもあり、
それ程苦戦する事なく目標へと辿り着く。


『 そこのジア・クト!
  おれが相手だッ!


味方へ範囲攻撃が及ばないよう、
自分の大盾を剣で思い切り叩いて、
ヒト型の注意を自分へと引きつける。


『 身の程を知れ、雑魚が…
  楽にしてやろう、すぐに!


ヒト型のジア・クトは おれを嘲り笑うと、
その手元に、自身の身体と同じく
宝石のように煌めいている長剣を召喚した。


( 剣も遣うか!甘くはないな…

『 りぃいやあァッ!
『 ふん…!


戦塵舞う深翠の試練場に、刃の旋律が響いた。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


隊長格らしきジア・クトはやはり手強く、
戦闘は長引いた。

だがこの剣が届かないワケじゃあ無い。
ラダ・ガート王との、あの一戦に比べれば…!


( 構わない…!奴を引きつけているうちは
  少なくとも味方への被害は減るはず!

  しかし…


戦いながら、おれはこの戦場に、
次第に違和感を感じてきていた。


( コイツら…一体何が目的なんだ…?


我々が最も警戒していたのは、
この試練場を空に浮かばせる為の
浮力を生み出している、
『深翠のピラー』と呼ばれる塔を
攻められる事だった。

もしここを落とされれば、
我々も下界も、壊滅的な被害を被る事になる。
それは奴等も理解しているはずなのだが…

だが奴等は一向に塔を攻めようとはしなかった。
それどころか、この戦い方はまるで…


…奴の左手から、次々と撃ち出される
鉱石の弾丸を走って避けながら回り込む様に接近し、素早く剣を撃ち下ろす。しかし、奴は難なく
それを右手の長剣で受け止めた。

鍔迫り合い。

歯を食い縛って剣に力を込めるおれを
涼しげに一瞥して、ジア・クトは笑った。


『 …疑問に思っているようだな。
  我々が、お前達の要衝を攻めないのを。

『 お前らの狙いは、一体何だ!

 
『 お前達の…アストルティアの文明は、
  どの道終わりを告げる。
  魔眼の月の主砲より、ひとたび
  『滅浄の大光』が放たれれば。

  お前達の要衝が落ちようが落ちまいが、
  大差無い事。

『 この戦は、
  それまでの時間稼ぎだとでも言うつもりか!

『 時間稼ぎ?
  ハハハハ…ッ!
  自惚れるな、下等種族!

  
☆   ☆  ☆   ☆   ☆


『 これは狩り。
  言わば、余興(ゲーム)だ。

  どの『かけら』が、より多くの
  下等種族を潰す事ができるかのな!
  ハハハ!

『 なんだと…!


笑う奴の左手から、氷の矢が放たれる。
おれはそれを大盾で弾くと、
一旦剣を引き、バックステップで距離を取った。


『 …良く解った。もういい。


ジア・クトを強く睨みつける。

そして大地を強く蹴り、
相手に向かって大きく跳躍しながら、
おれは剣を大上段に振りかぶった。


『 隙を晒したな。感情的になって!
  “ジア・バレット“!!


嘲笑する奴の掌から鉱石の弾丸が放たれるが…

それは、事前に仕込んでいた
“聖騎士の堅陣“に阻まれ、
おれの身体を傷付ける事は出来なかった。

そう、これは捨て身を装った、
奇襲戦法の一つ。


『 何ッ!?く、くそ…
  “ジア・バレッ…
『 遅いッ!!
  “アルテマ…ソード“ッッ!!!


そのまま前転しつつ、振りかぶった剣を、
有りったけのチカラと闘気、
そして遠心力を込めて打ち付ける!


『 ぬおぉおおーッ!!


果たして…黒鋼の剣は、
ジア・クトが咄嗟に構えた長剣ごと、
奴の身体を断ち割るのだった。


『 ば、馬鹿な…!
  わ、我が念晶体が、両断…ッ!?
  ぐおォォッ!!


☆   ☆   ☆   ☆   ☆



『 おれ達を舐めすぎだ…
  ジア・クト…ッ!!
 

~つづく~
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