「おばあちゃん、おばあちゃん!」
「なんじゃ? ウィルカ。こんな夜更けに騒々しい。わしのことは、おばあちゃんではなく、先生と呼べと何度も…」
「このあいだ行われた『ダークドレアム大討伐チャレンジ』で、みんなでドレアムを12万匹討伐達成したんだって! ほんとすごいよね~♪」
「ダークドレアムを12万匹? おぬしはいったいなにを言っておるんじゃ? なんの騒ぎかと思えば、まだ夢も見ぬうちからそのような寝言を言いおって…。あやつは悪夢の世界に一人しかおらぬし、第一、まだ倒してもおらんだろうが?」
「…はあ。おばあちゃんは知らないんだろうけど、この夢には終わりがなくてね。倒しても倒してもあいつは復活して、同じ夢が無限に繰り返されるの。それが、ダークドレアムが創りだした本当の『悪夢』なのよ。私ももう、500回はあいつを倒したわ」
「またその話か。ここから出て行ったかと思えばすぐに戻ってきて、おまえさんのほうこそ、さっきから同じ話ばかり繰り返しておるぞ? …それになんじゃ? その破廉恥で、カラスの羽根のように破れたみっともない服は?」
「これはレイブンスーツよ。まあ、私なりにちょっとアレンジして着てるけどね。ハレンチじゃなくて、セクシーって言ってほしいわね」
「なあにが、せくしーじゃ。まったく最近の若い娘は、男どもの目を惹くことしか考えておらんようじゃな。そのようにふしだらな格好で、ここに出入りすることはままならぬぞ。わしの若いころは、ぶつぶつぶつ。。。」
「あ、そうそう! 今日はね、おばあちゃんにお願いしたいことがあってここに来たの。おばあちゃんがデザイン監修した、その『グランマーズ☆デザイン』の魔女服も素敵なのだけど、それとは別に『合服』も着たくってね。…ねえ? お願い☆」
…というわけで、魔女の師匠であるグランマーズおばあちゃんに条件付で許可を得て、ウィルカデザインの「魔女服」を作ってみました♪
問題の、おばあちゃんの出した条件は、
一、魔女たるもの、着用する服のスタイルは「ローブ」のみとし、顔と掌以外の肌を露出させてはならない。
但し、ローブに見えるなら、ドレスやその他のパーツを組み合わせても可とする。
一、魔女たるもの、着用する服の色には必ず「黒」を用いること。
但し、杖および指輪などの装飾品を除く。また、黒を基調としていれば、服の襟や飾りなどの一部に、灰色などの地味な色を加えることは可とする。(…自分は派手な紫色とか使ってるくせに)
一、魔女たるもの、伝統ある「魔法の帽子」は必ず着用すること。
…という、やたら但し書きの多いものだったのだけど、なんとかおばあちゃんの条件を満たした「合服」を完成させることができました。
魔女ウィルカの、歴代三代目となる新しい「魔女服」です♪
これなら、おばあちゃんも文句はないでしょう?
「月と火星がオポジション。天球にはグランドクロス。この惑星アスペクトは…」
「メラゾーマ。古の昔、魔王ゾーマを倒すために開発された強大な火球魔法。詠唱には多大なマジックパワーを必要とし、その威力は術者の魔力と…」
Zzz。。。
おやすみなさい☆