さあ、目を閉じて。
思い出せるでしょ?
美しかったフェアリーランドを。
緑の草原、澄み切った空気、まぶしいばかりの太陽、
そして可愛らしい妖精たちの姿。
しばらく思い出に浸っていた後に、暖かい光を肌に感じて目を開けた。
「・・・・・・・・」
しばらくアリスは声が出なかった。
先程まで思い出に浸っていた美しい光景が目の前に
広がっていたのです。
緑の草原では妖精たちが嬉しそうに戯れていた。
「こっ、これは夢?」
「いいえ、夢なんかじゃないわ。私たちは、
私たちのフェアリーランドを取り戻したのよ」
「いままでのフェアリーランドはガイザックが創造したものだったわ。
そう、私たち妖精もガイザックの創造の産物だったのよ。
「でも、今度は違うわ。だって、この美しいフェアリーランドを
創造してくれたのはアリス、あなたなのですから」
「あなたの純粋な思いと私たちの願いがこのフェアリーランドを
創造したのよ」
妖精たちが次々とアリスに話しかけた。
「しかし、まだ信じられないわ」
この言葉を聞いた妖精の一人が、そっと耳元でささやいた。
「言ったでしょ?不思議が当然フェアリーランドってね」
- Fin -