5.2を終えてない人は読んじゃダメ。
おもしろくなくなっちゃうよ!
ぜったいダメだからね!
そなたは5.2を終えたのだな?
ならば話を続けよう。
…よいか、今回新たに判明した事実はこうだ。
魔界は、闇の根源の侵食を食い止めるために切り離されたアストルティアの一部である。
戻る道は閉ざされ魔瘴との共存を強いられることになった。魔族や魔物の誕生だ。
最も驚嘆すべきは初代魔仙卿であろう。
あろうことか侵略者たる闇の根源と契約し力を得、魔界に「大魔王システム」を構築。秩序を打ち立てたのだからな。
なるほど魔瘴に侵され正気を失い自滅へ向かったであろう魔界びとの意識を「アストルティア憎し」にしまとめ上げたのは見事。
魔仙卿の目論見通り、魔界は大魔王を擁立しアストルティアに侵攻することを目的にまとまった。それはそれで悲劇だが、魔界は今日まで秩序を持って存続している。初代は彗眼であった証であるな。
…さて、2点ほど疑問がある。
1つはなぜ矛先をアストルティアに向けたか、である。
見捨てられた恨みもわかるが、根本的な原因は闇の根源にあろう?
なぜ闇の根源に立ち向かわないのだ。
続いて第2の疑問だが、魔界の戦略思想だ。
アストルティア侵攻に際し、同じ戦法を繰り返している。
すなわち闇の根源と契約した大魔王を旗印とした武力侵攻。
混血児をもうけて土地に根を張るなど長期的展望もなく、支配地域を好き勝手に破壊しつつカッコいい魔王城を建ててアストルティア全土を手中に収めようとするものだ。
…どこにそんな必要がある?
予の思うところ魔界全人口を入植させるのにアストルティア全土を征服する必要はない。
魔界には優れた文明や社会がある。アストルティアと相容れないほど基盤や規範に差異がなく言葉も通じる。なれば平和的入植なり武力侵攻なりで土地を獲得、秩序ある国家を建国し正当な交易をおこなえばいずれ世界が認めざるを得なくなるだろう。
なぜなら、こうすることでアストルティアからみた魔界は理性的に対話できる相手となり、無用な侵攻の恐れが無くなるからだ。
…なぜこうしない。
目的はアストルティアの民を根絶やしにすることであるまい?
闇の根源と契約した大魔王が侵攻すれば、勇者システムが起動してしまう。これも致命的な問題だ。
無策で勇者と対決し散っていった歴代の大魔王と比べクワガタおじさんは聡明であった。偉大なるわたしの崇拝するネルゲル様と恐れ多くも羨ましくも契約を結ばれ、周到な準備のもと侵攻したからな。
だが破綻している大魔王システムに乗った時点でクワガタおじさんの敗北は決定的だったのだ。
1.魔界を統べるには大魔王にならねばならない。
2.大魔王となると闇の根源と契約させられる。
3.大魔王がアストルティアにノコノコ行けば勇者に殺される。
このシステムから脱却したアストルティアへの侵攻…いや帰還を考えねばならぬのだ。
…予はな。
魔仙卿の計らいで闇の根源と契約を済まさず大魔王としての実質的な地位を手に入れた。魔仙卿の狙いもおそらくそこにあろう。とぼけた顔をしているが策士よ。姿を消したところを見ると次の手を打っているのだろう。
魔界の成り立ちが白日の下に晒された。
これが事実であれば魔界とアストルティアとの対立は身内同志の殺し合い。このような悲劇はどこかで断ち切らねばならぬ。
予は大魔王としてまず魔界とアストルティアとの新しい関係を築く。
そしてアストルティアとの共闘体勢が整えばいよいよ事の始まりである闇の根源と対峙せねばなるまい。
予の考えとロードマップは以上である。
各位の奮闘に期待する。
…ところで予は大魔王である。
ネ、ネルゲル様と…
その… けけけけけっ…いやく とか~
一緒にコーヒー飲んで談話とか~
できちゃうのかなぁ?