武闘家
力、素早さに優れ、テンションをためることで強烈な一撃を叩き込むことができる。
装備可能武器 ツメ、棍、扇。
武闘家とは実に素晴らしい職業だ。
第弐話 何奴
俺はバトルマスターを生業として生きてきた。両手剣を振り回して敵をぶっ倒す。
こんなに楽しい職業は無い。
だがなぜ、俺は今武道場へ向かっているのだろう。
毎日意味のないような稽古の日々。
くだらない。
どうでもいい。
辞めたい。
武道場へ着くまでの間誰ともすれ違わなかった。
遅刻したのかと思い、急ぎ足で道場へ向かった。
誰も居ない。
休みならば予め連絡はあるはずだが、そのようなものは一切なかった。
元々やる気はなかったからラッキーと思い、そのまま帰ろうとした。
その時、ヤツは現れた。
丸い頭に髭面で緑のヤツが。
その顔を見ると怒りが込み上げてきた。
おい、コラァ。昨日はよくも邪魔してくれたじゃねぇか。お前の所為で俺は大目玉食らったんだ。この怒りはお前を殴ることで解消される。だから思いっきり殴らせろ。死んでもしらねぇけどな。
と言わんばかりの表情を浮かべ、少しずつ距離を縮める。
大抵このやり方で、相手はおびえて金を出すか逃げるのだが、こいつは腕組みをしたまま微動だにしない。
その姿勢にたまらず拳を突き出した。
しかしその瞬間ヤツは棒を構え、俺の攻撃を見事にかわしそれと同時に棒で軽く叩かれた。
なにがおきたのかわからなかったが、とにかく一発だけでも殴りたかった。
再び接近してさっきよりも力を込めて闘魂打ちを放とうとした。
しかしヤツはその棒で俺の足を払い、転ばされた。
棒がウザいことに気づき、素早くそれを取り払った。
これでお前もおしまいだと言う間もなく、とっておきを繰り出す。
天下無双。
だがヤツは突如悲鳴のような奇声を挙げた。
あまりの勢いに怯んでしまって攻撃が出せなかった。
悔しい。
その男はそっと棒を取り返し、去っていく。
悔しい。
俺は偶然持ち出していた翠石の大剣を取り出し、そのあとを追った。