ユラの冒険日誌

もう会わないってことばを

何度もなんども飲み込んで

とうとうおなかが痛くなった。



自分の気持ちを

想いを

ことばを

全身全霊を込めて放った一矢は

空を切り裂き

ほんの一瞬またたいて

風の中へと消えていった。



下弦の月が私の頬を撫で

銀色の雫をそっと落とす。

地表に伝った涙から咲いた

色とりどりの花、花。



顔いっぱいにうずめて、

深呼吸して

空を見上げた。



だいじょぶ、

大丈夫。



あの子の作った鞄に荷物を詰めたら

そろそろ次の旅へ

出かけよう。