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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 124

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2015-01-30 19:19:56.0 テーマ:その他

ゆうはん。(仮)47 「しかし、お嬢さん、ある者を追うって、一体どうやって追いかけるんで?」 「実はワタクシ、家系に少々、占い師の血筋がおりましてね。ふふふ……!」「おお! いやここは、――ひぃッ!」



   第4章 その12


 潮の匂いが鼻に付く。
 大通りの十字路辺りでふたりは立ち止まった。
「ほぇぇ~っ、おっきなまちです~っ」
 真っ白な獣耳付きフード姿の少女イオが感嘆の声を上げる。
 賑やかな街だった。
 たくさんの旅人が行き交い、いくつもの商店が並び、その先には大きな港もあるようだ。
「ここで、おふねにのれば、むこうのたいりくにもいけるですねっ!」
 見慣れぬ人の多さにはしゃぐイオ。
 だが、意を決した様に詩人は、
「おお! どうやら、やくそくのにっすうが、すぎたようだな。わるいが、ここでおわかれだ。では、さらばだ!」
 なんと!
 しじんは にげだした!
「ちょいちょいちょいちょーい! どこへいくというのですっ、しじんさんっ?」
 しかし まわりこまれてしまった!
 しじんは にげられない!
「ちっ……意外とすばしっこい奴め」
 それでも逃げ出そうと抵抗を試みる詩人だが、イオが放さなかった。服の裾をしっかり握って引っ張られている。
「なにをきゅうに、りだつしようとするですかっ? しかも、ぼうよみセリフで。さくせんめいれいできない、えぬぴーしーキャラですかっ?」
「いやなに、こうして次の街へやって来たワケだしさ、そろそろいいかなぁって」
「なにがですっ? だいたいなんですか、やくそくのにっすうって? そんなやくそくをしたおぼえはないですよっ?」
「まぁほら、そこはなんつーのこう、冒険っぽいやり取りじゃん? 強制イベント的な? そんなノリで?」
「しらんがなっですっ! こたえになってないですよーっ!」
 大通りでぎゃあぎゃあ喚かれては困る。周囲の目もあるし。
 仕方がないので、詩人はイオに事情を説明した。


「……せいれいさんが、そんなことを、おっしゃったですかっ?」
「ああ。イオを次の街まで連れてってやれってさ。そこまででいいからってな」
「そうだったですか……」
 イオの深く被ったフードのケモ耳が項垂れている。
 詩人は目を泳がせた。港の遥か先に何かを探しているようだった。
「お前さんは、魔王城を目指すのか?」
 魔王はもう居ないと言いながら、その根城を目指すとは。
「はいです。まちがったせかいを、ただすため、しんじつをみきわめなきゃですっ」
 どちらにせよ、一日二日で行ける距離ではない。まずは海を渡らねばならない。それには船がいるだろう。そこで港町にやって来たというワケだ。
 ふたりはここに来るまでに、いくつかの集落は訪れていた。しかしそれらの場所では詩人が別れを切り出すことはなかった。人通りがなさすぎたし、その辺りにはモンスターが多く危険だった。そしていくつかの夜を越え、詩人とイオはこの街に辿り着いたのだった。
 詩人は視線を大通りに戻した。あちこちから人の群れが行き過ぎる。
「見ろよ、イオ。大きな街さ、ここは。これだけ広ければ、新しい出会いもあるだろ? 強そうな装備した奴らも、いっぱいいるぜ。まずは酒場に行ってみな。あそこは、冒険者どものたまり場だからな」
 まぁ、子供が一人で入れるかどうかは分からないが。
「はいです……」
 大き目のフードをさらに深く被っているので、その表情はやはり見て取れなかった。
 ややあって。
「それじゃぁ……頑張れよ。まぁ、なんつーか、こう……元気でな?」
「はいですっ、ありがとうございましたですっ!」
 ぺこり、と頭を下げて、イオはそのまま走り出した。
 その真っ白なフード姿は、やがて人波に飲まれていった。

「さぁ……てと、これから、どぉすっかなぁ……」
 呟いて、詩人は煙草に火を点けた。潮風と共に煙を目一杯吸い込んでみる。久々の喫煙に少し眩暈を感じた。
「いいなぁ、船旅かぁ。やっぱ俺もついて行けば良かったかなぁ」
 しじんは おもった!
 ……随分とまぁ、あっさりとした別れだったが、たぶんそのほうが良いんだろうな、お互いにとって。もう会うこともない相手のことを、いつまでも覚えていても仕方がないしなぁ。
 しかし詩人は少女が消えた人波をしばらく眺めていた。
「あ、ダメだ。船酔いするし、俺、泳げねぇし」
 と、
「さっきから独り言ですか? 気色悪いですねぇ、まったく」
「うおぉっ? びっくりしたぁ……あ、アンタは……!」
 そこに居たのは――、
「はいどうも。お久しぶりです、詩人さん」
 いつかの黒服の優男だった。
 口調も物腰も穏やかで、目を細めて常に微笑を絶やさない。不思議な男だ。
 詩人が尋ねる。
「アンタもこの街に来ていたのか?」
「ええ。ここは大きな港がありますからね。まさに出会いと別れの街なんですよ」
「まぁ……そうみたいだな」

 詩人の視線は人波のほうを向いたままだった……。

 
 つづく。
※この物語はフィクションです。
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