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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 123

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2015-09-16 10:37:14.0 テーマ:その他

ゆうはん。55 「なるほど。真っ赤ではなく緑色までには回復したってとこか、辛うじて!」 「今でいうところの黄色ね。てか、誰もわからないわよ、それ。まぁ、瀕死にはかわりないわね」


  第4章 その20

 詩人はすでに虫の息だった。
「なに……しに……来やが……った」
「え、なんですって?」
 武器屋の娘がそばで何かをしているようだが、よくわからない。
 顔面をさんざん殴られた詩人だ。声を出すのも精一杯。思うように目も見えない。
 室内は全体が不安定に揺れている。縛られ、床に転がったまま詩人はそれを感じていた。
 腫れたまぶたを重く閉じれば、そこにあるのは絶望か、それとも……?
 と、
 ばしゃばしゃばしゃばしゃ――ッ!
「あだだだだーぁッ! なにすンだよぉッ!」
 突然、滴る音と、悲鳴が湧いた!
 いきなり顔から水を浴びせられた詩人さんだ。
 娘が淡々と言い放つ。
「我慢なさい。男の子でしょう」
 そして小瓶を傾け、詩人の顔に注いでいく。
 キズだらけの心身共に、みるみる沁みる!
「ちょっ……待……っで、……ば、鼻に入っ……だ……ッ!」 
 滴る液体が鼻腔を塞ぎ、呼吸困難を引き起こす。
 だがしかし、いまだ後ろ手に拘束されたままの詩人なので……、
 やはり、逃げられない!
「ほーら、もう一本いくわよー?」
「お、溺れ……、お・ぼ・れ……るぅ……ッ!」
 しかし しじんの さけびは こだましない……!


 ややあって。
「心配ないわ。ただの傷薬よ」
「だとしても冷ってぇし……びっしょびしょじゃねぇかよ、おい」
 しじんさんは おもった!
 うぅぅ、ちくしょう……どこまでも惨めだぜ、もはや疲労困憊、満身創痍、半死半生、現在の俺の状態を視覚的に表すとすれば……、
「俺のコマンドウィンドウは真っ赤に違いないぜッ!」
「ごめんなさい。アンタが何を言っているのか、さっぱり分からないわ」
 むすめは じゃっかん ひいている!
 が、それでも丁寧に解説を加えてくれる娘。
「いやだから、傷薬なんだってば、コレ。しかも、かの山奥の聖なる泉から汲んだって逸品なのよ?」
 確かに。ひりひりとした痛みは残るが、少しはマシになったみたいだ。ちゃんと喋れるし。でも、
「何故、手当なんかを?」
 詩人の言葉に娘はどこか苛立つように吐き捨てる。
「今、アンタに死なれては困るからよ」
 そうだ。
 詩人は思い出す。
 ――お前をエサにして小娘を釣ればいい。それまでは生かしておいてやる――。
 あの悪魔の言葉を。
「クソっ、冗談じゃねぇ……!」
 しじんさんは おもった!
 このままくたばるワケにはいかない。いや、むしろ、くたばっちまったほうが、奴らに利用されなくて済むかもしれないが、それこそ冗談ではない! なんとしてでもこの状況を打破せねば! あいつが……、イオが危ねぇ!
 と、
「それにアンタ――」ふぅ、と小さく嘆息し、娘は続ける。「顔だけは良いんだから、勿体無いじゃない」
「は……?」
 ふいに呆気に取られる詩人さん。
 ……ナニヲ、イッテんデスカね、コノ、ムスメハ……?
「なに赤くなってるのよ?」
「なななななってねーし! てゆーか、いまそれどころじゃねーし!」
 やった!
 しじんさんは あきらかに キョドっている!
「だったら、ついでにこの縄、解いてほしーんですけどッ!?」
「だめ」
 きっぱりと、武器屋の娘。
「ぐ……ぅッ!」
 もう何度目なのかはわからずの恒例となった詩人さんの呻き。
 だが、このままでは終われない、叫ばずにはいられない。
「なぁッ! お前さんは、真っ当な商売人のはずだろッ? どうしてこんな悪事に手を染めるンだッ?」
「仕方がないのよ」
 ふいに娘は目を伏せた。
「なんで、あんな奴とグルなんかに……?」
「協会へ行くと言ったでしょう。この街の商店経営者は、すべて裏で繋がっているのよ」
「そんな……まぢかよ……ッ!」
 確かにあのとき娘は、協会へ行く、と言って出て行った。一般的な教会だと思っていたのだが、単なる勘違いではなかったのか。
「逐一、報告することになっているのよ。この街へ訪れる者、全てをチェックするために」
 つまりはそういうことだった。
 今回、詩人はたまたま武器屋に足を踏み入れた。だが、この街のどこの店に入ろうと、こうなる結果は同じだったのだ。少女イオを捕らえる為にだ。
 それでも詩人は納得がいかない。
 あの接客修行はなんだったのか。単なる茶番だったというのか。でなければ、あの笑顔は? 凛とした態度に、娘自身には何の誇りもなかったというのか。詩人はただただ歯噛むのみ。
 それを察したのかのように、
「どちらも本当の私よ」
 事も無げに娘が言った。
「……本気で言ってンのか?」
「ええ、そうよ。いらっしゃいませ、こんにちはー」
 憎たらしいほど満面の笑みを見せた武器屋の娘。

 だが、それが張り付いた笑顔であることに詩人は気付いていた。


 つづく。
※この物語はフィクションです。
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