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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2018-02-09 03:49:23.0 2018-02-09 03:57:14.0テーマ:その他

ゆうはん。69 「いっちょ、ないすばでぃの女教師にでもなってくれや」「いえ、ダンナの好みではなく、自分の好みでやすよ?」「角刈りの精霊なんて聞いたことないぞ」「まさに任侠スピリット」「やかましい!」


   第4章 その34

 光の川を泳いでいた。
 いや、詩人は泳げないはずだ。
 なので正確には、揺蕩って(たゆたって)いたのだ。
 真っ白で何もない空間。不思議と懐かしい感じがした。嫌じゃない。心地良かった。
「へい、ダンナ。お久しぶりでやすね」
 何者かが腕を掴み、詩人は留まった。
 振り返ると、着流し姿の男性がそこにいた。
「……誰だ? アンタ……まさか!」
「へい、あっしは、しがない精霊ってヤツでやんすよ、へっへっへ」
 聞き覚えのあるディストーションをかけたような汚い声。
 だがその姿を見るのは初めてだった。
「やっぱりか! ったく、口調のまんまじゃねぇか。結局何も思い付かなかっただけだろッ!」
 オッサンだ。角刈りだ。向う傷がある。日本刀が良く似合いそうだった。てか、怖ぇんだよ! ガン飛ばすな!
「まぁアレですぜ、ダンナ。そいつぁ、“大いなる精霊(もの)の意志”ってヤツですぜ」
「答えになってないし!」
 久々のやりとりだった。どこかほっとする詩人。
 いやでも待てよ。
 今思うと、この自称・精霊のオッサンが全ての張本人だったのかもしれない。
 少女イオにワケのわからない契約を持ち掛け、彼女を魔法勇者にしてしまったのでる。一時的ではあるが、詩人に保護を依頼した事もあった。そいつが今頃になって何故に突然こんなところに現れたのか。
「ちょいとダンナの精神体ってやつを呼ばせてもらいやしたぜ。あっしの精霊パワーで」
「オッサンが精霊パワーとか言うな」
「いいじゃない、オッサン姿の精霊がいたって、いいじゃない!」
「急にどーしたッ?」
「ダンナ、あっしら精霊は下界の人間が接しやすいよう、好みの姿に変化できるんでやすぜ」
「知らんがな!」

 間。

「んなことよりも。ここは一体ドコなんだ? 俺はやっぱり、死んじまったのか……ッ?」
 ここが地上世界でないことは詩人も薄々気が付いていた。
 見渡す限り真っ白で、なーんにもない!
「ここは、時空のはざま、でしてね、へへへっ。ここには時間という概念がないんでやすぜ。かつての大魔道士たちは、俗世と離れ、永劫の試練へと立ち向かうために、ここを利用しやした」
「まさか! じゃぁイオはここで何年間も特訓していたってのか?」
「強大な魔力をその身に宿し、自由自在に操る為には、膨大な時間が必要だったんですぜ」
「こんな、だれもいない、なにもないところで、ひとりぼっちで、何年も……」
「ダンナのおかげですぜ」
「俺の?」
「ええ。悪しき者どもに立ち向かうダンナの姿を見て、誰かのにチカラになりてぇっていう、勇者にとって一番大事なものを、嬢ちゃんは必死で追いかけたんですぜ」
「頑張ったんだな……イオのやつ」
「まぁ、それでも見て見ぬふりに我慢できなくて、呪文ひとつふたつ覚えた程度で飛び出ちまいやしたけどね」
「でもみんな助かったさ」
「まだまだ未熟な所もありやすが、あの嬢ちゃん、今や志しは立派な魔法勇者になりやしたぜ」
「そっか。それなら、まぁ……しょーがねぇか」
 詩人の胸は晴れやかだった。
 最期にひとつくらいは、何か良いことが出来た気がした。ちょっと短いようだけど、悪くない人生だったと思った。
 だが、
「いいや、まだですぜ。へへへっ、ダンナには世話になりやしたからねぇ、きちっと落とし前、つけさせてもらいやすぜ……!」
 不敵な笑みを見せる精霊。(※角刈り向う傷ありの中年男性)
 そして着流しの懐から刃物を取り出した!
「ちょ、待てまてーいッ! やっぱ持ってたじゃねーか! アンタ完璧そっちのヒトだろぉッ?」
 慌てふためく詩人。
 精神体なら物理攻撃など効かないのでは、という野暮なツッコミは置いといて。
 と、
「ふんッ! ぬぅおぉぉぉ……ぅッ!」
 なんと!
 せいれいは じぶんのむねに ドスをつきたてた!
「ひ……、ひいいいいッ!」
「こ、こいつぁ、あっしの魂。こ、こいつでダンナは、よ、蘇りますぜ……へへへ」
「だとしても、想像以上にえぐすぎるわッ! 血ぃぼったぼたじゃねーかッ!」
 どっくんどっくん、どくどくどっくん。
「か、悲しいけど……、現実って、こんなもんですぜ……、ファンタジーや、メルヘンじゃねぇんですからね……ぐふッ!」
 ばったり!
 せいれいは ぶったおれた!
「うあああ、怖かったよおおお、トラウマもんだよおおお」
 やった!
 またひとつ しじんさんは
 いやなおもいでをてにいれた!
 すると、
「……ッ!」
 生々しかったその物体が眩い光を放ち、宙に浮かんだ。
 水晶玉となったそれに恐る恐る触れてみると、全身が粒子となって、詩人はその場から舞い上がった。
 詩人は彗星になって空を駆ける。
 海を、山を、街を越えて――。


 つづく。
※この物語はフィクションです。
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