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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2023-11-07 00:46:37.0 2023-11-09 02:18:27.0テーマ:その他

ゆうはん。74「よく考えたら勇者って物凄くナンパ野郎だよね。誰彼構わず声掛けまくってるもん」「いや、そこはほら道を訊いたり居場所をたずねたりだな」「え、事案?」「世知辛い!」【まおぼく】


  第5章 その4

「す、すみませんッ! あの……ッ!」
「はいっ? なんですか?」
「えっと、俺……あ、いや、ぼくはですね……、その、なんと言うか、こう……」
「? 私に何かご用ですか?」
「……いえ、やっぱりいいです……。間違えました、ごめんなさい」
「そお? ならいいけど。ふふふ、変な人ね」
 少し困ったように優しく微笑んで、その女の人は行ってしまった。
 そして。
 その場でただひとり、立ちすくみ、天を仰ぐ、俺。
「…………ドちくしょう、……俺のいくじなし!」
 あれ、おかしいな、こんなに晴れてるのに、はははっ、頬が濡れて来やがるぜ、あははは…………。

   *

 あのあと城を出た俺は、今度こそはと慎重に進み、とりあえず街に辿り着いていた。
 レンガ作りの家屋が並ぶ洒落た街並み。さすが城下町と言った感じで、住人以外にも行商人や兵士、あとは冒険者らしき姿などもある。ちっ、みんな高そうな武器装備してんなぁ。俺なんて未だに丸腰だぜ? ま、それはともかく、昼間の大通りは人々で賑わっていた。
 行き交う人波の中で立ち止まり、俺は思い出した。
 ――勇者よ、街に行き人々の話を聞けば、自身の使命も思い出すことだろう――。
 確かあのオッサン(王様)が言ってたっけな。
 まぁ、俺が勇者かどうかはこの際いったん置いといて。このままうろうろしてても何も始まらない。自らの道は自ら切り開くしかない。事態がよくわからないまま、終わってたまるかってンだ。グッと拳を握りしめた俺は、沸々とたぎる熱き血潮を感じていた。なんというか……、そう! 高鳴るこの胸の内が恐怖だったとしても、全身を奮い立たせるのは、いつだって勇気だ。進め!

 ……で、
 結果が先の“それ”である。

 ちーん。

 は~ぁっと盛大に嘆息し、俺はその場にしゃがみ込んだ。
「使命ねぇ……、俺の使命って……?」
 コミュ障で引きこもりの妹を養うこと、それが俺の使命だったはずだ、これまでは。
「つぅかさ、言いたくはないけど俺だって人見知りだよ? 妹に負けず劣らず、大の人見知りなんだよ。そんな俺が、赤の他人にどぉやって、いきなり声掛ければいいんだよぉ」
 そのまま呪詛するようにぶつぶつと続ける、俺。足元の雑草をぶちぶちと引き千切りながら。
「今まではさー、俺が妹の面倒見なきゃいけないから、頑張って来ただけでさー、職場の連中にぃ、あのヒト暗いね~とか、何考えてるかわかんないしキモくねーとか、陰でコソコソ言われてたとしてもさぁ、気にしないようにしてさー、我慢して働いたのによー。ったく、あいつは今どこで何してンのかなぁ」
「おにいちゃん」
「!」
 兄を呼ぶ声がして、不意に俺は顔を上げた。どこだ? あいつは、妹はどこにいる?
「お待たせ、おにいちゃん」
「おう、遅かったな」
 見れば、近くの店から飛び出して来た少女が、すぐそばに居た大柄の男の元へと駆け寄っていくところだった。
 待ち合わせか何かだろう。俺とは全く無関係のどこかの兄妹だ。
「よし行くぞ、早くしろ」
「もぉ待ってよ、おにいちゃ~ん」
 男が大股で自分勝手に歩き出す。少女がそれに続いて行く。包みをふたつ大事そうに抱えていた。
 俺は路肩に座り込んだまま、ぼんやりとそのやり取りを見届けた。
 まぁ、案の定だよ、違うとは思ったさ。俺の妹だとしたら人込みも苦手だから外出なんて滅多にしないからな。それにしても。ったく、なんなんだあの不愛想な野郎は。もう少し優しく接してやれよなぁ、兄として。
 そして俺は何気なくあの少女が出て来た店に視線を向ける。
 手書きの立て看板には本日のランチメニューの文字が。なるほど飲食店か。
 丁度ノドも乾いていたところだし、少し休憩でもするか。あと心も折れたし。
「すいませーん、とりまコーヒーひとつ~」
 早々に注文しながら俺は入店した。
 店内は狭く薄暗く、他の客はまばらだった。
 するとカウンター内に居た女性が、
「あら……………………、来たのね? 坊や」
 た~っぷり溜めた後で返し、ふーぅっと煙を吐き出した。細長い煙草を手にしている。
 え、なにこのヒト。店員、だよな?
 一瞬ためらった俺だが、とりあえずカウンター席に着く。
 その高身長の女性店員は、
「それで……、今日は誰にするの?」
 見下ろされている俺はなんだか居心地が悪く猫背になってしまう。
 気まずいのでさっさと注文してしまおう。
「えっと、あの、とりあえず、日替わり定食とコーヒーを」
「そぉ…………いいわ。とびきりのを紹介したげる。待ってなさい、坊や」
 謎の女性店員は、カウンターの奥へと消えていった。

 つづく!
※この物語はフィクションです。
 交流酒場で「ゆうはん。」と検索すると、これまでのお話が振り返れます。
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