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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 121

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2023-11-29 00:06:53.0 2023-12-14 02:51:36.0テーマ:その他

ゆうはん。84 「魔王、ぼく(勇者)が会心の一撃決めたらどんな顔するだろう? ―闇の足音― 」 【まおぼく】

  第5章 その14

 ――もう何度、葬っただろう?
 敵の攻撃は単調なものだったので、それほど難しくはなかった。
 避けては斬る、避けては斬る、を繰り返したが、それでも奴は再生される。
 まさしくアンデッド。それは不死身の魔獣であった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 さすがに息が上がってきたな、あはは、もぉ疲れたぜ。
 ついに膝をついてしまう俺。
 てか、まずくね……?
 倒すたびに復活し邪悪なエネルギーを増していく巨大な魔獣ゾンビ。
 こんなん、どうやって倒せばいいんだよ……。 
 と、
「勇者さま、もう我慢できません」
 魔術士少女が前に出る。
「来るなぁ! キミは来ちゃダメだぁ!」
 俺は叫んだ。
「大丈夫です。それに、分かったんです」
 それまでずっと後方で黙って耐えていた少女。
「アレは普通の魔物ではありません。それには、こうするしかないのです」
 困ったように少女が微笑む。
 嫌な予感がする。
 何をするってンだ……?
「勇者さまをお守りするのが私の使命です。ですから、そんな顔しないで、ね、勇者さま」
 立てッ!
 立ってくれ俺の足ッ!
 彼女を止めなければッ!
 だが、少女は特技を発動――、
「出でよ、さつりくとはかいのきょうせんし。――お願いね、お兄ちゃん」
「はっはっはーッ! オレにぃ、任せろぉ、妹よぉ!」
 亜空間より現れ魔獣と取っ組み合いする戦士さん!
「ほぉら、怖くない怖くないぞぉ、はっはーッ、だいじょぉぶだ、よぉしイイ子だぞぉ」
 魔獣ゾンビの動きを抑える戦士さん、すげぇ!
 少女がそれに近づいていく。
 ――そして、
「勇者さまと旅が出来て、とても楽しかったです。私はここまでですが、勇者さまがいつかきっと魔王を倒し世界に光を取り戻してくれると信じています」
「やめろ、何言ってンだよ……、キミは」
 俺はまだ起き上がれない。畜生、なんでだよ……!
「サヨナラ勇者さま――逝こう、お兄ちゃん」
「ああ、よぉし逝くぞぉ、はっはっはーッ!」
 少女が地面に手をかざすと、空間が大きく開いた!
 その上にいたものすべてが、そこへ沈んでいく。
 魔獣も戦士も少女も、辺りの瘴気も、すべてを飲み込むと、空間の穴は小さくなって、やがて消えた。

「…………ちっくしょぉおおおおおおお――ッ!」
 
 俺と、俺の慟哭だけがそこに残った。
 俺はまた“妹”を守れなかった……。


 静寂。


 どれほど時が経ったのか分からない。
 今までの出来事に理解が追いつかなかった俺はしばらくそのままでいた。
 やがて足音がして誰かがやってくる。
「参ったなぁ。とんでもないことをしてくれたね。まさか魔獣もろとも異空間に封じ込めるとは」
「……誰だアンタ?」
 俺はいま、むしょーに腹が立ってるンだ。魔物でなくとも人間だろうと容赦はしないぜ。
「ここのところバグが多いな。また一から設定し直さなくちゃならない。おかげで手間がかかるよ、まったく」
「……なに言ってンだ、アンタ?」
 仮面。
 鈍色の仮面をつけた小柄の男だ。真紅のマントを纏い、黒々とした杖を手にしている。
「まぁいいや。この回もまた失敗だった。それだけだよ」
「ちょっとさっきから、ぜんぜん意味が分からないンだが?」
 俺にただひとつ分かるのは、なんかすげーむかつくってことだけだ。コイツ年下のくせに。たぶん。
「ボロボロじゃないか。もう消えなよ。失敗作に用はないよ」
 ふいに男が杖をかざした。
 突如、灰混じりの煙が俺を包んだ。
「うぐ……ぅッ!」
 煙のなかで喉を締め付けられる感覚が俺を襲った!
 息が……、出来ない。
 これは前にも一度味わったことのある、窒息ってやつだ!
 俺は、また、し・ぬ・の・か……ッ?
 薄れゆく意識の中で最期に聞いたんだ。
「あーぁ、また作り直さなきゃなぁ、――新しい勇者が来る前に」
「――ッ?」

   *

 やがて俺は目を覚ます。
「おお、なんということだ。死んでしまうとは情けない」
 やっぱりか。まぁ、そんな気はしたさ。
「さぁ、今一度立ち上がり、旅立つのだ――、勇者よ!」
 だけど一応、俺は、“それ”を王様のオッサンに訊いてみた。
「……何を言っておる、ここにはそなただけしかおらぬぞ?」
 そう返ってくるだろうと、なんとなく分かってた。
 分かってはいたけどさ。


 つづく!
※この物語はフィクションです。
 交流酒場で「ゆうはん。」と検索すると、これまでのお話が振り返れます。
 第一回はコチラから↓
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/183827313689/view/1989548/
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