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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 天地雷鳴士
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2023-12-27 00:19:04.0 2024-01-09 02:09:12.0テーマ:その他

ゆうはん。92「ねぇ、なんで番外編また挟んだの、お兄ちゃん?」「ん? いあ、大した理由はないんだけどな。もうすぐ100回いきそうだしな」「それにしてもよく続いてんのねー」【まおぼく】

  第5章 その20

 グオオオオオ……ン!

 不気味な唸り声が響き渡る。近づけばそれは段々と大きくなる。
 呪われた城の地下迷宮。道中、罠ばかりで困難な道のりだったけど、どうやらあたしはついに最深部にたどり着いたらしい。
 あたしはそこにあるものに近づいた。
 大広間に岩山のようなものがある。しかもそれは大きな鎖でがんじがらめにされている。
 その形を一目見て、あたしは気が付いた。
 鉤爪(かぎづめ)のある大きな翼、鋭い角、強靭な牙――これは、ドラゴンだったもの、だと。
 石化した巨大な竜の化物なのだ。
 もっと正確に言うならば、石化は完全ではなく、その途中であると。肌の所どころが生身の鱗と石化した部分とで交互に混ざり合っている。
 さらに足元には禍々しくて巨大な魔法陣。
 だとするとこの鎖はやはり封印の為なのか。このドラゴンを石にして封じ込めているのだろう。

 グオオオオオ……ン!

 眠っているのか抗っているのか、唸り声と地響きが続く。
 今にも飛び出しそうな気配すらある。やはり封印は完璧ではないらしい。
 もしもこんな大きな怪物が復活でもしたら、あたしたちの街はどうなってしまうのだろう……?
 考えただけでも、ゾッとする。
 こんな化物にあたしは勝てるだろうか。
 さっきトラップボックスの罠に掛り運悪く絶命してしまった彼、――あの不死身の彼がいつ戻って来るかは分からない。
 こうなったら、あたしひとりでやるしかない。
 こいつが目覚める前に少しでもダメージを与えておかないと!
 今がチャンスだ。
 あたしは剣を構えて石化巨竜に斬りかかった。
 がきぃん……ッ!
 と、あたしの剣は弾かれてしまう。生身の部分を狙ったはずなのに、ヤツの鱗は相当硬い。負けるもんか。あたしは勇者だ。
 あたしはもう一度、身構え――、

「――ここへ何をしに来た、小娘よ」

「え? なに、いまの声」
 突然辺りに響いた声に驚いて、あたしは剣を持ったままキョロキョロと周囲を見渡した。
 誰もいない。目の前に石化したドラゴンがいるだけだ。って、まさか……、
「そうだ。そなたの目の前にいる、このワシだ」
 ドラゴンが……喋った!
 魔物のくせに言葉を話すとは、その知性の高さ、やはり上級モンスターか。
 あたしはごくり、固唾を飲んだ。
「ワシの眠りを妨げるとは、いい度胸だな。ワシに何の用なのだ、小娘よ?」
 その声は部屋全体が震えるほどの重低音だ。
 だけど、怖気づいたりしちゃダメだ。思いっ切り息を吸い込んであたしは叫び返した。
「あたしは――勇者だよ! アンタを倒しに来たんだよ!」
「なにぃ? ユウシャ、だとぅ?」
「そーだよ。ふふん、驚いたでしょ」
 やった。気持ちじゃ負けてないよ、あたしは。
 と、
「…………うわ……ぁ」
「え、なにその反応? もしかして、引いてンの?」
「うむ……、ちょっとな。はるばるやって来たのが、まさか自分から勇者とか言い出しちゃうような、なんちゅーの、こう――、あたまのおかしい小娘だったとは……」
「ちょいちょいちょいちょーいッ! なにドラゴンがアタマカオシイとか言ってンのーぉッ!」
 てか、さっきまでの威厳ある感じはどこ行ったッ? ドラゴンにあるまじきフランクさだよ!
 するとそのドラゴンさん、
「いや、そなたの肉親のことを思うと、な。年頃の娘が、こんなんだとは、ああ残念だ」
「うをおおぉーい! こんなんとか! 残念とか、言うなし!」
 あと、あたしは孤児院暮らしだったから親とかいないもんねー。
「ふむ。それは失礼であったな。非礼を詫びよう」
「てか、どーでもいいけどさ、アンタもっとフツーに喋れないの? この、部屋全体に響く感じ? いちいちビリビリするしさ、音量デカすぎて、いい加減ホントに頭おかしくなりそうなんですケド?」 
「慣れろ、耐えろ、我慢しろ。そなた勇者であろ? ……ぷぷっ」 
「都合の良い時だけ勇者呼ばわりするなーぁッ!」 
 あと、笑うなしッ!

 つづく!
※この物語はフィクションです。
 交流酒場で「ゆうはん。」と検索すると、これまでのお話が振り返れます。
 第一回はコチラから↓
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/183827313689/view/1989548/
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