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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 天地雷鳴士
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2024-01-15 01:18:49.0 2024-01-16 02:24:09.0テーマ:その他

ゆうはん。99 ブレイク・オン・スルー 【まおぼく】

  第5章 その27

「足りぬ……魔力が……」
 声に振り向くと、仮面の大男がそこにいた。
「そうだ……魔力なら……あそこにあるではないか……ッ!」
 大男が叫ぶと不気味な杖がひとりでに宙を走り、巨竜の石像に突き刺ささった!

 グオオオオオ……ン!

 ドラゴンの悲痛な唸り声が辺りに轟いた!
「ふははははッ! 竜の王よ、その魔力、頂くぞ……!」
「しまったッ!」
 声を上げた勇者の彼。でもあたしを支えているから身動きが取れずにいるんだ。
「貴様らまとめて葬ってくれるわ!」
 仮面の大男が残った片腕を上げて閃光を放った。
「きゃぁッ!」「ぐは……っ!」
 勇者が咄嗟にあたしをかばった。その攻撃を真面に受けてしまった彼は吹き飛ばされてしまう。あたしもその場に倒れ込む。
「大人しく見ているがよい。巨大なトカゲが干物になっていくのをな!」 
「グオオオオオ……ォ!」
 ドラゴンが苦しんでいる。
 石像に巻きついていた幾重もの鎖が音を立てて震え、足元の魔法陣は不安定に点滅した光を放ち、地面が地鳴りを上げて揺れ始めた。
 あたしはドラゴンのすぐそばにいた。
 巨体に突き刺さって禍々しい色を発する不気味な杖、って……ん? 杖か、杖だって“武器”だよね? だとすると――、
「よい……しょっと」
 あたしはお腹の痛みを無視して起き上がり、その杖をおもむろに握りしめた。
「えいッ…………きゃぁああああッ!」
 引き抜こうとしたけど、腕から全身に激痛が走るよ走るぅッ!
「無駄だ小娘! ただの人間にその魔法武具は扱えん!」
 遠くから大男のデカイ声。
「やめろ……、無理するな……!」
 すぐそばで勇者の彼のか細い声。
「あたしにはすべての武器が……使えるはずだよぉ……ッ! ああああ……ッ!」
 びりびりッ! ばちばちッ! 
 もう手の感覚なんて無い。ただ、あたしに出来ることなんだ。死んでも絶対放すもんかぁあああッ!
「ふはははッ! 先にくたばりたいか小娘よ」
「もういい、止せッ。やめろぉ、やめてくれぇ……!」
 そんな声出すなよばかやろぉ、勇者のくせして泣き虫なんだから、もぉッ!
 彼はまだ起き上がれずにいた。あたしなんかをかばったせいだ。
「お願い……声を……聞かせて……ッ!」
 あたしは全身で杖を抱き締めた――、

 どくん……ッ!

 ――勇気あるものよ、そなたに光を授けましょう――

 あたしは眩い光と共にゆっくりとその杖を引き抜いた。 
「ふははは……は、なにぃ――ッ?」
 驚愕する仮面の大男。
 辺りを覆っていた禍々しさは消え、一変して神々しい光が広間に溢れ出した。
「――小娘よ。その杖で奴を貫け」
 そのドラゴンの声がしたと同時にあたしは振り向きざまに大男へ向けて杖をぶん投げた。
「やぁああああッ!」

 ――ずんッ!

「ぐぉおああああッ!」 
 しょうじょの いちげき!
 なんと!
 かめんのおとこに
 ひかりのつえが つきささった!
「まさか……、有り得ん……、こんなことが……ッ!」
 杖がその胸を貫通し苦しみ悶える仮面の大男。
 その場にへたり込んでしまうあたし。
「だがな小娘ぇ、貴様も道ずれだぁッ!」
 しかし仮面の男は最期の特攻!
 あたし目掛けてその巨体で突進してくる!
 あたしは……ダメだ、動けないッ!
 と――、 

「もうたくさんだ。目の前で仲間が死ぬのはもう見たくない。絶対に死なせるもんか!」

 ゆうしゃの こうげき!
 なんと!
 かめんのおとこを やっつけた!
「おのぇ……ただのコピー品のくせにぃ……」
 ヤツの巨体があたしに届く寸前に勇者の彼が一撃を叩き込んでいた。
 身体が粒子となって徐々に薄れていく仮面の大男。
「お前の主に伝えておけ。いつか俺が絶対にやっつけに行ってやるってな」
 たくさんの傷を負いながらも彼は言い放った。
「だが……小娘ぇ……貴様は何者だぁ……ッ?」
 もうそのほとんどが粒子となって消えかけていた大男だ。
 そいつに向かってあたしは言った。
「あたしはね……」 すぅーっと息を飲み込んでから 「あたしは、あたしだよ! 誰でもないよッ!」
「いいや、違うね」
 と、横から勇者の彼。
「え?」
「キミだって――、勇者なんだろ?」
「うん。そーだよ! あたしは勇者なんだからねッ!」
「……ぐぁああああああ……っ!」
 断末魔の叫びを上げ、大男は完全に消え失せた。
 からんからんっ、と音を立てて、鈍色の仮面と杖だけがその場に残った。

 つづく!
※この物語はフィクションです。
 交流酒場で「ゆうはん。」と検索すると、これまでのお話が振り返れます。
 第一回はコチラから↓
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/183827313689/view/1989548/
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