どこかの町のはずれのはずれ
隠された掲示板には
まれに、未来予知の「お知らせ」が貼られることがあるらしい
その掲示板を探すのは簡単だ
必ずその掲示板の前には、足を悪くした吟遊詩人が座っているのだから
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「おや、お客人」
「こんな辺鄙な場所までよくぞ」
「この掲示板を探して?」
「えぇ、そうですとも」
「これが、未来を示す噂の掲示板」
「名を、星観掲示板と言います」
「なんでこんな名前かって?」
「星というのは、生まれながらに人間が持つものであります」
「悪い星の元に生まれれば運が悪く、苦難の運命をたどります」
「良き星の元に生まれれば、その人はきっと良き人になることでしょう」
「その、生まれながらにして持つ星は、決まった通りの動きをします」
「星の巡り、人間様が『運命』と呼ぶそれのこと」
「その巡りが交じり合う時に、良くも悪くも物事は転じるものです」
「その交わりを、星を見守る人々が見やすくするために」
「この掲示板は生まれました」
「私はその守り人でございます」
「まぁ、今や足を失いここへとどまっておりますが...」
「—————さて、貴方はどんな星の巡りを知りたいのでしょう?」
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もし、噂の掲示板を見つけることができたのならば
貴方はこんな紙束が見つかるだろう
【おたずねもの『黒嵐』にご注意を】
なんて書かれた、紙の束
「それ、気になりますかい?」
「未来を示す、なんてさっきは言いましたが、全部がそうではありません」
「それでも、未来に関係のあるものは流れ着きます」
「その紙は...そうですね」
「どこかの、小さなお姫様の星の」
「その巡りから来たものでしょう」
「詳しく識りたいのなら、ラギ雪原へ向かうことをお勧めしますよ」
「きっと、星の巡りの痕跡が残っているとおもうので」
そう聞いた貴方が、掲示板を後にしてラギ雪原へと足を運べば
見ることができるだろう
血に染まる雪原
倒れる、小さな漆黒の龍の亡骸と
その傍らに落ちる、毒の残ったちいさな小瓶を