「星の集い」が数か月にわたる長期休暇(という名の修行)で拠点を離れている間
とある、一つの噂話が広まっていた
――曰く、「可憐な旅人である」
――曰く、「表情の読み取れない人形のようである」
――曰く、「魔物を駆逐する姿は嵐のようである」
――曰く、「彼女が来たる時、不気味な骨の音が響く」
鎧と言うには美しく
少女と言うには狂気的
背負った二対の骨が、狙った魔物を逃さず狩り尽くす
その素顔は誰も知らず
声も名前も、聞いた人間は存在しない
両手に武器を持つが、バトルマスターにしては機敏で器用
槍や斧を扱う姿すら見られるという
そんな彼女を
噂好きの冒険者たちは、敬意を込めて『骸骨戦姫』と呼んでいた
そして、そんな少女の声を、素顔を、素性を
知りたがりの冒険者たちの一部は、興味本位に彼女を探すらしい