いつの間にか、砂漠の中心にいた
ただただ広い、先が見えない砂漠
地平線が続いている
この先に何があるのかなんて、考えるのも嫌になるほどだ
「...ここ、は?」
ここは、何処なのだろう
いや、それよりも
私は...
私は、『私』なのか?
何か、混ざっている気がする
何か、くぐもっている気がする
頭の中に霧がかかって、思考がまとまらない
散り散りになった『私』の欠片を、砂漠の中へ求めて
少しずつ、拾い集めながら歩く
前にも、こうしていたことがあったかもしれな
いつだっただろう、思い出せないけれど
これは、私の記憶なのか、『私』の記憶なのか
わからないまま、考えるのをやめる
やみくもに歩き続けた
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ふと、嫌なにおいが漂ってくる
私は、このにおいを知っている
錆びたような、しかし生温かい
風に乗って、不快感が鼻をくすぐる
そこには、[✕✕✕✕✕✕]がいた
血にまみれた死体を、見下ろしていた
積み重なる、人間の死体
『...なんだ、また迷い込んだのか』
後ろから、声がした
頭の中に直接響く、鈍器で殴られたのかと錯覚するほど、頭が痛くなる声
『懲りないな君も。何度ここにきても変わらないというのに』
『...変わらない、変われない、変わる勇気も持てないんだ』
『変わってしまうのが怖いから』
『自分を失うのが怖いから』
『自分だけを見ていればいい今を、手放すのが怖いから』
『だから君は、[✕✕✕✕✕]なんだよ』
声にノイズがかかっている
頭の霧が晴れていくようで
しかしそれが、どうしようもなく気持ち悪かった
『さて、そんな可哀想な君にひとつ問いを与えてあげよう』
『人と獣の違いは、何だと思う』
人
と
獣
...なんだか、前にも聞かれたような気がした
誰に、聞かれたんだろうか
いつ、聞かれたんだろうか
ただ、気が付いた時には口が開いていた
「「...私は、」」
目を、覚ました
もう少し、眠っていたくなるような、嫌な倦怠感だった