全てを失っても、私は
私という存在が死ぬことを許してはくれない。
運命を恨んでも、嘆いても。
私には進むという選択しか残されていなかった。
身体が変わって 心が揺さぶられてしまう。
身体の持ち主の記憶や思い全てが私の中で反響する。
両親のこと、旅のこと、そして幼馴染のこと。
全てを背負って あなたにまた会えたとしても
あなたにとって、私は「あの子」で。
私は 彼が望んでいる 幼馴染ではないって、
思い知らされる。
揺さぶられるあの子の思いの中に、あなたへの想いも少しだけ隠れていたのを知ってしまった。
だから、許してね。
私があの子を奪ってしまったこと、
大切なあの子に、嫉妬してしまったこと。