(注、この物語はフィクションです)
「ここか・・・」
先日私が旅の途中に見つけた書物庫。
その中の書物の中に、ある男について記された書があった。
レンダーシアの歴史上最も残虐な戦士だったと言われた男、ヴラド・ツェペシュ4世である。
1000年の昔、レンダーシアを不死の魔王が支配していた時代。
人々の平和のために戦った勇者アルヴァン、彼を光の英雄とするならば、ヴラドは影の英雄と言えるだろう。
何故なら彼は夜な夜な勇者暗殺のためにやってくる魔物の軍勢を皆殺しにするほどの実力者であることと、その戦いの様子が恐ろしく凄惨だったために表の歴史からは抹消されている。
彼は魔物、魔王に服従する人間を自らの手で処刑する際、当時最も惨いと言われた処刑法である串刺しを好んでいた。
その人間、魔物にどんな事情があるか、相手の階級、種族を問わずに全ての敵を串刺しの刑に処した事により、味方の兵士からも恐れられた。
そのうち彼は、グランの串刺し公として敵味方問わずに恐れられるようになったという。
「灼熱の太陽、燃える町、逃げ惑う人々、そして串刺しか・・・」
「書物にあった記録の通りだ」
彼に伝わる伝説ととして、こんなものがある。
勇者と叡智の冠たちが魔王の城の調査に向かっている最中、手薄になった城下町に上級悪魔の軍勢が侵攻してきた。
悪魔たちは町に火を放ち、人々を次々と殺して回った。
兵士も過半数が殺され、ごく僅かとなっていたものの、町に残っていたヴラドによって率いられた兵士たちはヴラドの指示に従い、悪魔たちに立ち向かった。
そして、城下町襲撃の知らせを聞いて急いで戻ってきた勇者たちが駆け付けた時には、城下町にあったのはヴラドによる大量の悪魔たちの串刺しの林であり、勇者ですら戦慄を覚えたらしい。
書物の中にはこう記されていた。
宝物庫を求める者は最も醜き者を串刺しにせよ
私はヴラドの宝物庫と呼ばれる場所に、ヴラド・ツェペシュが使っていたとされる魔剣を求めてここに来た。
壁画において最も醜き者である魔物に剣を突き立てると扉は開いた。
宝物庫を最後に守る巨大な扉が私の前に姿を現した。
扉にはこう書かれている。
ヴラド・ツェペシュ4世以外の者にここを通る事まかりならん
「やはり無駄足だったか・・・」
半分諦めて扉に触れてみたが、何故か扉から光が湧き出て、その後宝物庫に入れるようになっていた。
何故私が通れたのだろうかと訝しみながらも、私は宝物庫の中に入り、一つの大剣を目にした。
禍々しくも衰える事を知らぬ黒き刃、彼自身の祈りの言葉が掘り込まれたそれは、武器屋にあるような大剣とは明らかに異なるただならぬ雰囲気を醸し出していた。
私は一度家に戻り、この剣を装備してみる事にした。
「これが魔剣ヴラド・・・噂通りとんでもない代物みたいだ」
そう言いながら魔剣ヴラドを装備してみると、私の体に異変が起きた。
!? くっ・・・・
(力が湧き上がってくる!?)
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
目を再び開けたとき、私の姿は変容し、まるで書物に記されていたヴラドと同じ容姿に・・・
「なるほど、俺があの門を通れたのは、俺がヴラドに似ていたからだったのか」
どうやらこの剣にはヴラド4世の魔力が込められているらしく、ヴラドの姿の情報も剣の中に記録されていたようだ。
僅かながら、太古の悪魔の血の匂いも漂ってくる。
ジャキン!
「贈り物に感謝しよう、ヴラド4世」
魔剣ヴラドは、頷くかのように鈍い輝きを見せた。
要約、
ケイオス買ったぜ! いやっふう!
ドレアもして両手剣スキルも揃えたため、バトマスもこれで完全体です^^
ちなみにヴラド・ツェペシュは実在の人物をモデルにしていますので、
暇があれば検索してみてねw