『アズラン近辺のゴミ捨て場』にて・・・
???「おお・・・なんてことだ・・・」
???「我が弟分よ!」
その影は、今やただの断片と化した「ザッコン」だったものを見つめて叫んでいた。
???「腕も足も、お前の自慢だった腰の玉も全て打ち抜かれておる・・・」
???「そしてこの涙の跡、さぞや惨たらしい死に方をしたのだろう・・・」
???「おお、ザッコン・・・お前がいなかったらわしは、わしはぁ・・・」
その影は、時間を忘れてただただ泣き続けた。
かつて兄弟としてあの畑で過ごした日々、その中で生まれた思い出。
全てが無に帰してしまったその悲しみは、次の瞬間・・・
???「ウルァァァァァァ!!!」
???「・・・ザッコンを殺した者にザッコン以上の苦しみを与え、絶望の淵に落としてから殺してやりたい・・・」
???「やりたいじゃない・・・やるのだ!」
マッド「このマッドラディッシュが!貴様を骨すら残すことなく殺し尽くしてやる!」
URAAAAAAAA!!!!!
・
・・
・・・
ザッコンを殺してから一週間後、
ブラックジャスティスは武器と情報を仕入れるため、あるBARを訪れていた。
カランコロンカラン・・・♪
マスター「悪いな、店はまだ準備中で・・・なんだお前さんか」
ブラック「客に向かってそれはないんじゃないのかマスター?」
マスター「どっちのほうも特別割引要求するような客に言われたくはないね」
ブラック「自分の行いを考えれば当然だろう?これでもかなり譲歩しているんだ」
マスター「それで?今日はどっちの客なんだ?」
ブラック「裏のほうだ。先日注文したブツは?」
マスター「ちょっと待ってな」
そう言うとマスターは一つの段ボール箱を取り出した。
マスター「鉄砲のマガジンパック5つと3種のグレネード、そしてオーダーメイドの麻酔銃だ」
ブラック「先日ちょっと弾を撃ちすぎたからな・・・マガジンをもう少し追加できないか?」
マスター「そう言うと思って用意してあるぜ、中見てみな」
ブラック「ふむ・・・確かに。これであとヴィラン5人は殺れる」
ブラックは補充した弾丸を銃に装填し、麻酔銃の状態もチェックし始める。
マスター「ヴィランに繋がる可能性がある情報もあるが・・・聞くか?」
ブラックは無言で頷く。
マスター「最近一部の地域でヤバい病気が蔓延しているのは知っているか?」
ブラック「ああ、私も今朝の新聞で見たばかりだ。大根病だろう?」
マスター「感染した奴の体から大根が生え、人体に様々な悪影響を及ぼす病気だ」
マスター「発病してから1週間たつと苦しみ悶えながら死んでいくらしい」
ブラック「それくらいは知っている」
マスター「まあ最後まで聞け。俺の友人が偶然大根病の発症現場に出くわしたらしいんだが・・・」
マスター「不幸な奴が発病する前、どこかから針が飛んできたらしい」
カチッ
ブラックは整備の手を止めていた。
マスター「その針が刺さった瞬間発病したらしく、針が飛んできた方向を見たら何がいたと思う?」
ブラック「まさか・・・」
マスター「でかい葉っぱを生やした男だ、すぐに逃げ去ったようで証拠の写真もブレブレだが・・・」
マスターは一枚の写真をブラックに見せる。
ブラック「!!!」
マスター「どうした?知っているのか?」
ブラック「私がこの前銃殺した奴に・・・とてもよく似ている」
マスター「何?」
ブラック「ザッコンというカブの怪物だ、正直大した相手でもなかったが・・・」
マスター「もし調査する気なら、まずはレンドアにある病院へ向かえ。大半の患者はそこに収容されている」
ブラック「よし、すぐに行こう。また来る!」
ZOOOM!!!
マスター「・・・変わっちまったもんだな」
マスター「あいつも・・・俺も・・・」
マスター「・・・あ!あいつ金払わずに行きやがった!!!」
マスター「AIIIIEEEEEE!!!」
近所迷惑を顧みぬ悲哀と怒りの籠ったシャウトがBAR周辺に響き渡った・・・
(中編へ続く!)