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ガオー牙王

イッキュウ

[イッキュウ]

キャラID
: MO364-367
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: レンジャー
レベル
: 138

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イッキュウの冒険日誌

2025-05-10 11:39:27.0 テーマ:その他

光を継ぐ者達 第二章 鋼に宿る意志 第二話 燃え残る火 前編

第二話 燃え残る火 前編

鍛冶場は崖の傍にあった。
煤けた壁に、石造りの炉。古びた道具は整然と並べられていた。

鍛冶場では、バロムが無言のまま炉に薪をくべていた。
火がぼうっと上がり、赤々とした光が煤けた壁を照らす。

足元に、小さな影が立っていた。

破れた鍋を抱えた、痩せた少年だ。バロムを見上げて、おずおずと声をかける。

「……これ、直してくれる?」

バロムはしばらく無言のまま鍋を見下ろしていたが、やがて無骨な手でそれを受け取る。

「……あぁ。任せとけ」

その声は、どこか優しげで、けれど沈んでいた。

鍛冶槌を取ると、迷いもなく叩き始める。
手つきは、剣を打っていた頃と何ひとつ変わらない。だが今、彼の手の中にあるのは、誰かを傷つけるものではなかった。

火花が散る中、痩せた子供がぽつりと訊ねる。

「バロムさ、本当はすげぇ剣とか作れるんでしょ?」
槌を振るう手が、ふと止まる。

鍋の底に落ちる火花を見つめながら、バロムは静かに呟いた。

「すげぇもん打って、すげぇ戦が起きたら困るだろ……」

子供はぽかんとした顔でその言葉を聞いたあと、何か言いかけて、口を閉じる。

少しして、絞り出すような声で言った。

「……そっか。強い剣があったら、僕たちの村も守れると思ってたけど……」

その声には、わずかな寂しさと混じった迷いがあった
バロムはその言葉に何も返さず、再び槌を振るう音だけが響いた。

やがて修理を終えた鍋を返すと、少年は小さく頭を下げて言った。

「……ありがと。バロム、またね」

その背を見送りながら、バロムはひとり、ぽつりと呟いた。

「……俺が打ったものじゃ、守れなかったんだ」

火の音だけが、鍛冶場に残った。

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