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ガオー牙王

イッキュウ

[イッキュウ]

キャラID
: MO364-367
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: レンジャー
レベル
: 138

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イッキュウの冒険日誌

2025-05-10 11:45:44.0 テーマ:その他

光を継ぐ者達 第二章 鋼に宿る意志 第二話 燃え残る火 後編

第二話 燃え残る火 後編

少年が立ち去ってからしばらくして――

鍛冶場の戸口に、ふたりの影が差した。  
旅装の男女。ひと目でただ者でないと知れる佇まい。
「……何の用だ」

奥から声が響く。火を見つめながら、バロムが振り返る。

「旅人だな。剣でも欲しいってのか?」

リクが言葉に詰まるが、セリアが一歩進み出る。

「あなたに話があります。私はセリア、そしてこちらがリク、鉱山の魔物を調査している者です」

「調査、ね……」

火箸を炉に投げ込み、バロムは視線を鋭くした。

「なら、俺のとこに来るのは間違いだ。俺はもう武器は打たねぇ。あいつらにもそう言った」

「なぜです?」

セリアはまっすぐに尋ねた。

「あなた程の鍛冶師が、技を捨てるには……よほどの理由があったのでしょう?」

ーー静かな間。
炉の火が、パチパチと燃える音だけが響いた。

「……昔、俺は王都の鍛冶師だった。
生まれ育った村を捨てて、腕ひとつで都へ渡ったんだ。
俺の打つ剣は、そりゃあ見事だったよ。
持つだけで、ひよっこ兵士が歴戦の猛者になっちまうくらいにな。
名工だの、天才だのって、周りは持ち上げてきやがる。悪い気はしなかったさ……そのときは、な」

パチリ、と火が爆ぜる。

「けどな……俺は、大きな勘違いをしてた」

声が低くなり、火のゆらめきがその横顔を照らす。

「俺が打った剣は、人を奮わせ、英雄を生み……だが同時に、力を欲しがる奴らの餌にもなった。
剣が名を上げるたびに、欲にまみれた領主どもが争いを始めた。
そして、そいつを奪い合った果てに―― 一つの村が、地図から消えた」

リクは思わず、息を呑む。

「……皮肉な話だろ。消えたのは、俺が捨てた、故郷の村だったんだ」

「俺の槌は、“戦い”を呼ぶ。
強く、美しい剣ほど、人を魅了し、そして……狂わせる。
守るために造ったはずの力が、いつの間にか、殺すための力に変わっちまった。
そのとき初めて、俺は気づいたんだ――
……俺は、何を造ってきたのかってな」

ゴン、と拳が床を打つ。

「そっからだ。俺は武器を打つのをやめた。
いや――打っちゃならねぇって、そう……決めたんだ」

リクは、妹ティナを守れなかったあの夜を思い出していた。
大切なものを失った彼の辛さは痛いほどわかる。
……だが、自分はそれでも立ち上がった。立ち向かった。

リクは静かに言葉を継いだ。

「……それでも、僕は思うんです。
あなたが打った剣は、きっと――誰かを守った。
守ろうとした人が、どこかに、きっといたはずです」
バロムがゆっくりと顔を上げる。
リクの瞳には、微塵の迷いもなかった。

「僕は、守れなかった。けど、それでも……僕は戦う、世界を蝕む脅威から、誰かを守るために」

バロムの目が、リクを見据えた。その中に、わずかな光が差した気がした。

セリアが静かに続ける。

「今、村の人々が必要としているのは――強い武器ではなく、“誰かが共に立つ”という意志です」

セリアの言葉を受け、バロムはしばし黙し、やがてゆっくりと立ち上がる。

「……勝手にしろ。だが、魔物に喰われても俺のせいにすんなよ」

そう言い残し、鍛冶場の奥へと歩いていく。
重い足取りで、鉄と煤にまみれた扉の向こうへ。
その背には、どこか迷いと、かすかな揺らぎが漂っていた。

リクとセリアは静かにその姿を見送り、やがて踵を返す。

「……あの人、本当に、何もかも捨ててしまったのかな」

リクの呟きに、セリアはそっと首を振る。

「いいえ。……まだ、残っているはずです。
その証拠に、彼はまだ鍛治師をやめてはいないのだから……」

ふたりは静かに鍛冶場を後にし、鉱山の方へと歩き出した。

***

鍛冶場の奥。煤けた壁の一角に、それはあった。

布を巻かれ、無造作に立てかけられた、戦鎚と見紛う程の巨大な一本の鎚。

バロムはしばし、それを見つめる。
バロムの脳裏に思い起こされるのは、火花と鉄の匂いをまとった、あの頃の記憶。

「……まったく。なんだってんだよ……」

吐き捨てるように呟く。だがその声に、どこか戸惑いにも似た温もりがあった。

再び火を入れる日が来るのか。
あるいは、遠ざけたままでいられるのか。

物語は静かに、しかし確かに、次の扉を開こうとしていた。
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