ここは遥か遠い…魔の潜む異世界
魔族、悪魔、妖なる者…そのような類が
暮らす暗黒の世界。
廃墟の街にたった1人
魔族でも悪魔でもない、生身の人間の姿。
一体なぜ…このような場所に。
そもそもなぜ、生きていけるのか。
彼女は「黒魔術師」
赤子の頃にポツンと枯草の隙間に
置き去りにされていた所を
先代の悪魔の黒魔術師に拾われ、育てられた。
人の子であるが、悪魔の教育に耐え抜き
逞しく育った子。幾千年の時を生き
己の終焉を悟った悪魔は、彼女を我が子として
自身の黒魔術を継承する事とした。
親代わりの悪魔は、散り際に
自身の血を我が子に分け与えた。
そしてこの廃墟を根城として
2代目黒魔術師は、たった孤り暮らしている。

彼女の黒魔術は恐ろしいほどの魔力がある。
悪魔仕込みの呪術は…
世界をひっくり返すほどの力がある。
そんな強い魔力を放っている為に
魔女狩りを目的にやって来る者も少なくなかった。
だが、そのような者など一瞬で葬り去る。
どんな百戦錬磨の猛者であろうと、一瞬だ…
そのうちに、ここに近づけば命はない。
と、魔族や悪魔たちの間で囁かれるようになり
この廃墟には、誰も来なくなった。
長い間、独りで過ごしていた。
ある日の事、黒魔術師のもとへ…
紫雲月から
1人の†吸血鬼†が姿を現した。
吸血鬼は学びを深める為に、この世界に
留学に来ている。休日の散歩中に
偶然にこの廃墟に足を踏み入れたのだ。
黒魔術師と吸血鬼が直ぐさまに対峙した…!
しかし、紳士的で穏やかな性格の吸血鬼は
攻撃する事もなく、彼女に一礼する。
「ごきげんよう。お嬢様。
このようなところで、いかがされましたか」

黒魔術師は愛用のレースの傘越しに
吸血鬼をジッと見つめる…。
口を開く事はない。ただただ見つめる。
吸血鬼はその姿にすぐに気づいた。
左右非対称の瞳の色に両手に見える赤い烙印。
彼女が忌み嫌われる存在である事を察した。
紳士的な吸血鬼
彼女に更に微笑みながら話しかけた。
決して刺激するような事をせずに
優しい口調で語りかける。
その日は何事もなく
吸血鬼は黒魔術師に挨拶をして帰った。
黒魔術師の様子が気になった吸血鬼は
その後、折を見ては廃墟に来るようになった。
幾度となく顔を合わせる黒魔術師と吸血鬼。
その度に話しかけるのは吸血鬼。
彼女はただただ、見つめるのみだった。
この日も時間になり
いつものように吸血鬼は黒魔術師に
一礼し、帰ろうとした。
すると…
黒魔術師は吸血鬼を真っ直ぐに見つめ…

「…また会いに来てほしいの。独りは寂しいのよ」
吸血鬼は黒魔術師に
心を奪われた。
吸血鬼は気持ちが高ぶり
麗しく美麗な首筋にそっと爪を当てた…
彼女も抵抗も反撃もせずに受け入れた。
親代わりの悪魔から与えられた血のお陰で
人の身でありながら、
吸血鬼に血を吸われても昇天する事もなく、
平然としている。

別れ際に振り返り
はにかむように吸血鬼を見つめる瞳。
吸血鬼はすっかり彼女に恋をした。
黒魔術師もまた、自分を攻撃しなかった
吸血鬼に始めから好感を持っていた。
†2人は恋に落ちた†
吸血鬼は黒魔術師を妻に迎え
後に子供が2人誕生する。
妻である黒魔術師は、2人目の子を生むと
天命を全うし、冥界へと旅立った。
吸血鬼は悲しみに暮れながらも
妻の忘れ形見の子たちを大切に育てた。
その子供たちは「dhampir」
父である吸血鬼と同様に血の覚醒をし
母である黒魔術師の強さを引き継いだ2人の子供。
今や父上と執事たちの頭を悩ませる
dhampir令嬢と令息…
「dhampir令嬢と令息」序章「廃墟の黒魔術師」
※この物語はフィクションです。
完全にジルの妄想です。ご了承下さい。
★あとがき★
皆さん、こんにちは♪
別キャラ、クレアとのリンクストーリー
「dhampir令嬢と令息」の序章を描きました。
dhampirというテーマを思いついたあたりから、
父上は紳士的な…と考えており、
クレアサイドのお話を書いてるあたりに
母上は癖が強い強烈な感じがいいなと、練っていて
黒魔術師という設定にしました。
今回、僕が母上役をwww
艶ディだから出来る技でございますw
これをやる為にドレアも新調しました。
力が入ってます入ってます←
dhampir令嬢と令息のバックグラウンドも
このように小出しにしてw
シリーズは続けて行きます。
クレアのお嬢様サイドもまた
書いていきたいと思います。
皆さん今回も、最後までお付き合い
ありがとうございます♪
それではまたね★
#jillstyle
#艶ディ