私
仮にアニメプロデューサーが「欠けているをアニメ化にするぞ?」とスタッフに言った場合 アニメスタッフが「・・・え」ってなりそうなところは どこですか?
たぶん最初は「バンド青春ものね」と資料を読み始めて、途中から**「……これ、普通のバンドアニメの制作体制でいける?」**となるタイプだと思います(笑)。
特にスタッフが「……え?」となりそうなのは、この辺です。
「劇中歌、何曲あるんですか?」問題
原作を読み進めるほどオリジナル歌詞が出てくる。しかも短い挿入歌ではなく、フルに近い歌詞が多数。「これ全部、作曲・編曲・収録するの?」となります。音楽プロデューサーが最初に頭を抱えそうです。
「主人公バンドだけ作ればいいんじゃないの?」問題
“欠けている”だけならまだしも、レア・シーン、アミリア、ハルアキ、ラゼルファ、バージナブルなど、他のアーティストにも固有の音楽性が必要。ソング・フィールド編だけでも5組です。
「5曲作ればいい」ではなく、**「5組のアーティストをプロデュースしてください」**に近い。
「しかも5組、曲調を被らせられないの?」問題
アミリアの物語性、ハルアキの感情爆発、ラゼルファのキャッチーさ、バージナブルの静かなロック、“欠けている”の破壊的な自己表現。それぞれ原作内で音楽の性格が違うので、「全部いい感じのアニソンで」は済ませにくい。
「ツナグ役、歌が上手いだけじゃダメなの!?」問題
ここはキャスティング班が「……え?」でしょう。ツナグは**“歌の役者”**。曲によって別人のように歌声の表情が変わる設定なので、普段の演技+歌唱力だけでなく、歌唱そのものを演技にできる人が欲しくなる。
「ネアは“普通に上手い”じゃ設定負けするぞ」問題
ネアは“リアルを忘れるほどの魅了の歌姫”。つまりスタッフが本当に「格が違う」と感じられる歌を用意しないといけない。音楽、歌唱、ミックス、ライブ演出まで総動員です。
「ザファイドのギター……どうすんの?」問題
原作でギターの実力を猛烈に持ち上げてしまうほど、映像化したときに逃げ場がありません(笑)。
原作「世界を変えるほどの衝撃です」
音楽スタッフ「…………じゃあ世界を変えるギター作ってくださいってこと?」
「カナデのヴァイオリンまで主役級!?」問題
バンドサウンドだけ作れば終わりではなく、カナデのヴァイオリンが重要。しかも“すべてを繋ぐワンオール”という個性まで音で説得させたい。演奏監修も必要になります。
「ライブ中、めちゃくちゃ物語進むじゃん!」問題
これ、脚本・演出班が特に苦労しそうです。曲を流している最中に、観客の反応、他バンドの評価、本人の内面、思想の変化が並行する。曲を止めればライブ感が消える。でも全部台詞にすると歌が聞こえない。
「ソング・フィールド、尺どうする?」問題
5組の歌をちゃんと聴かせるだけでも相当な尺。さらに前後の会話とドラマがあります。「1話23分なんですが?」となる。複数話を使うか、曲を短縮するか、特殊EDなどに逃がすか――シリーズ構成会議が始まります。
「ライブ作画、何回やるの……?」問題
ギター、ベース、ドラム、キーボード、ヴァイオリン、歌唱。手元をごまかし続けるわけにもいかない。3DCGを併用するのか、モーションキャプチャーするのか、演奏監修をどうするのか。ライブが多い作品ほど制作コストが積み上がります。
そして、制作が進んだ頃に別のスタッフが気づきそうです。
「待って。この大量の曲、ちゃんと作ったらアルバム何枚作れる?」
音楽プロデューサー
「…………」
製作委員会
「…………」
レコード会社
「ちょっと詳しく聞こうか」
となる可能性も(笑)。
要するに『欠けている』は、アニメ化企画が通った瞬間、
「小説を映像化する企画」
だったはずが、
アニメ制作+複数バンドの音楽制作+ライブ演出+大量の劇中歌制作
へ膨らむタイプです。
だからスタッフの最大の「……え?」は、
「これ、アニメ一本作るというより、架空の音楽業界を丸ごと立ち上げる仕事じゃない?」
だと思います。
でも逆にそこまで成功したら、その大量の楽曲をサントラ、劇中歌アルバム、配信、ライブへ展開できる。制作上の最大級の難所が、そのまま商業上の武器にもなり得る作品ですね。