2014-05-20 07:40:09.0 2014-05-27 07:33:50.0テーマ:その他
ゆうはん。(仮)15 「この物語はフィクションです!」 「え、なによぉ? いきなり……」 「大事なことなので、姫様もご一緒に。はい、もう一度……せ~のッ!」 「「――この物語はフィクションです!!」」
第2章 その6
「あれ……? ここ、どこだろ……? あたし、寝てたんじゃ……?」
姫は目を覚ました。
が、そこは自分の寝室ではなかった。
薄紅色のもやが掛かった不思議な空間だった。
気が付いたらそこで座っていた。
「いや、ここはまだ夢の中だぜ、姫さんの、な……」
と、声がして、もやの中から、それが姿を現す。
「あっ、……赤鼻じゃーん! やっほ~ぅ」
「やっほーじゃねぇよ!」
姫に赤鼻と呼ばれたのは、派手な格好をした細身の悪魔。
そいつが続けて怒鳴る。
「てかよぉ、なんちゅう夢見てンだ、オマエはッ!」
「いやん……っ!」
……ぽっ。
「頬を赤らめるなッ!」
「だって、だって~ぇ! 勇者様ったら、あんなに大胆なんだもんッ♪」
「知らンがなッ!」
「それよりも気になるのは、あいつだよ……!」
ひめは しんけんな まなざしだッ!
「あたしの勇者様を、めろめろのぬもぬもに……、あんな目に合すなんて……!」
「いや、知らンってば。なんだよ、ぬもぬもって、どぉいう状況だ?」
「あたし、負けてられないよぉッ!」
「なんの決意だッ?」
「あんな――、銀髪ロン毛の角付き野郎なんかにぃッ!」
「いや、だから、もう知らン――――ってか、やっぱそれウチの魔王様だろぉッ!?」
「え、なんだって? くわしくききたいって?」
ひめの ひとみが あやしくひかるッ!
「聴きたくないわッ! 調子に乗るな、この縦ロールがっ!」
「……ちぇっ」
「バカタレ! ダベってる場合かッ! 時間無いンじゃ、こっちはよぉッ!!」
「あ、そぉなんだ。……で、なぁに、赤鼻?」
「おいおい、姫さんよ」
「ん? どしたの赤鼻? 急いでるんじゃなかったっけ?」
「まぁ聞けよ。 いいか? 俺っちをそんな変な呼び方すンなってぇの。なんだ、その、あかはなって……?」
「だって、あんたのお鼻、赤いじゃん。ピエロみたいに」
と、姫は指をさした。
確かにその悪魔は赤い球状の付け鼻をしていた。ついでに羽根と尻尾のおまけ付きだった。
「まぁ、みんなからは道化悪魔とか言われてっけどさぁ……。だがな、俺っちがこの姿でいるのは、ワケがあンのよ。俺っちは、魔王様より全てを欺く禁断の魔術を……」
「いいじゃ~ん。似合ってるよぉ、赤鼻」
「オィィィィ! 俺っちがまだ話してる途中でしょうがッ!」
「うんうん、わかるよ~ぉ、え……っと、なんていうの、こう……、かいようちょうほうぶたいのとくしゅこうさくいん的な、アレでしょ?」
「ちょっ、やだ、なに、この姫さん、怖いんですけどーッ!」
間。
「…………で?」
「…………え?」
「こんなとこまで何の用? またあたしを、さらいに来た?」
「いや、……そうじゃない。そうじゃなくてだな……」
どうけのあくまは しんけんな まなざしだ!
「姫さんに頼みがあるっ!」
「あたしに……? たのみ……?」
「そうだ。頼れる人間が、姫さんしかいないンだよ」
「え……?」
「俺っちが、あの勇者以外で、唯一、まともに関わった人間、それが姫さん、オマエなんだよ」
「関わったって……、あーッ! そーいえばーさぁ、赤鼻ぁっ!」
「おい、姫さん、まだ俺っちの話が……」
「ちょっとーぉ、あんたね~ぇ、あのときーぃ、あたしぃ、ちょー怖かったんですけどーぉ?」
「えッ、あ、いや、あの、その……!」
「なんか~ぁ、いきなりぃ? 連れ去られたり~ぃ、閉じ込められたり~ぃ?」
「いやいやいやいやッ! 悪ぃ、わるかったって! まぁ、あンときゃ、なんつーか、そのぉ……、そう! ありゃぁ魔王様の命令だったンよ」
「そんで~ぇ、まいにち~ぃ、あんな所じゃぁ、な~んもすることなくて~ぇ。すっごい退屈だったんだからね!」
「姫さんをさらっちまえば、人間どもがこれ以上調子に乗らないンじゃね? って、なってだなぁ……」
「もぉ、オンゲしかやることなかったし」
「……え、なんだって?」
「全職カンストしちゃったし~ぃ、全特訓も完了だし~ぃ」
「ちょ、おまっ、なにやってンのッ? お姫さまだよね? なのに、なにやってンの、まぢでッ!!」
「アクセも全種そろったし~ぃ、合成も全部に理論値が整ったし~ぃ」
「うおおおおい廃人がここにいるぞおおおおッ!」
どうけの さけびが こだまするっ!
つづく。
※この物語はフィクションです。
フィクションなので、あしからず……。