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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: パラディン
レベル
: 136

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2014-05-20 08:30:29.0 2014-05-20 09:51:46.0テーマ:その他

ゆうはん。(仮)16 「ずいぶんとまぁやり込んだんでございまさぁねぇ姫様」 「追加の課金してくれてるかなぁ?」 「そこ、彼ら持ちなんですね。しかし姫様、なにやら只ならぬ空気みたいですよ……」


 第2章 その7

「だって、あんなとこにずっと閉じ込められてたんだもん」
「そのわりには、色々注文してきたよなぁ、姫さんよ。やれ部屋が薄暗いだの、風通しが悪いだの、もっと景色が見たいだの、……おかげで立派なもんを建築させやがって」
「夜になって窓から顔を出して見る星空は格別だったよぉ♪」
「姫さんさ、どっかの村の宿屋限定で宿泊客の夢に出演してなかっただろぉな?」
「え、あたしの涙はしょっぱいだけだよぉ?」
「知らんがなッ!」
 たしかに だれも きいてなかった!
「まぁ、なんにせよ、辛い思いをさせて、すまなかったな」
「ううん。楽しかったよぉ。……PT全員が裸で五つ首竜を討伐とか、縛り攻略したときとか」
「そっちッ!?」
「いやでも、みんな良い魔物さんだったから、怖くなかったよ。ねぇねぇ、そういえば、みんなもちゃんと元気? 鬼子ちゃんとか、ドラゴンパパさん、ゴーレムくんは?」
「……あ、ああ、それなんだがな」
「どぉして赤鼻だけ来たの? ……あれ? そもそも何の用だっけ?」
「いや、だから、オマエに頼みがあるンだよ、姫さん、いいか?」
 と。
「ちょっとちょっとー! アンタぁ! いつまで話してるんスかーッ!」
 急に女声が辺りに響き渡った。
「あ、鬼子ちゃんだ、やっほ~ぅ」
「姫ちゃん、やっほ~っス。お久しぶりっスねぇ」
 懐かしい声に、姫はその姿を思い浮かべた。それは、赤鬼娘、と呼びたくなるような姿。しかも、羨ましくなるほど、たわわな感じの。
「……って、それどころじゃないっスよ! 奴らがすぐ、そこまで来てるっス!」
「まぢかッ! やっべぇな。奴ら、もう、ここが分かったのか……ッ?」
「ちょっとちょっと~ぉ、ねぇ、なになにーぃ?」
「おい、金パツ縦ロールッ!」
「……ひぃぃッ!」
「あ、いや、すまん、姫さん。……って、何をそんなに震えてンだ?」
 やった!
 ひめは おびえている!
「べ、べべべ、べつにッ、なんでもないもん……ッ!」
「てか、ダベってたら、まぢで時間が来ちまった!」
「ちょっとぉ、なんなのよぉ、も~ぉ」
「いいか? もう、姫さんしか、いないンだ……」
 どうけあくまは しんけんな まなざしだ!
「これ頼むのは……、気が引けるンだが……」
「……うん?」

「魔王様を助けてくれ……ッ!」

「…………?」
 意味が、分からない。
 だが、姫は考えた。自分で足りないと思っていたその頭だけど、必死に回転させてみる。
 ――ひめは おもった!
 魔王を、助けろ……? 誰が……? このあたしが……? いや、魔王って、魔族の王で、あたしたち人間を襲って来た魔物たちの主で――、……人間を襲う? 誰かが、戦う……? ――ああ、そうだ。魔王は……、魔王は、勇者様を……。
「魔王様は、チカラを失くして、この世界のどこかに、飛ばされちまったンだ……!」
 目の前の道化が、らしからぬ必死の形相で何かを訴えていた。
 だが、姫は辿り着こうとしていた。
「だって……だって……まおうは……勇者様を……」
「――ちがうッ!」
 道化が姫のそれを遮った。
「魔王様は勇者を、――殺してなんかない」
「でも、みんな、……でも、みんなが、あたしに……みんなッ、勇者様は、もう……いないって……ッ!」
「頼む、信じてくれ! 勇者は、勇者は……」
 姫は道化に腕を掴まれた。しっかりと、両の掌がつながれる。

「――勇者は生きているッ!」

「生きて……、勇者様が……」
「ああ、そうだ。勇者は今も戦ってンだよ。暴走した魔王様の抜け殻を止める為にな」
「…………」
 ひめは おもっていた。
 ……手、あったかいんだ……、こいつ、あくまなのに……、ここ、夢の中だったはずじゃ……。
「だから、魔王様の本体を探し出して、勇者と共に、あいつを……」

???「裏切り者どもが、こんなところにいたとはね……!」

 謎の声がして、赤鬼娘の焦りが伝わってくる!
「うおおおお、ヤバい、ヤバいっスよおおおッ!」
「まぢか! 仕方ねぇ、逃げッぞ!」
 道化の腕が、足が、姿が、消えて行く――ッ!

手下A「逃げられると思ったか?」
手下B「貴様ら、ここで何をしていた?」
???「まぁいいさ。あとでゆっくり聞いてやろうよ」

「いいか? 頼んだぜ、姫さん。魔王様を探して、助けてやってくれ……ッ!」
「姫ちゃん、魔王様を、頼んだっスよおおおッ!」
 声が、ぐるぐると渦を巻き、やがて全てが闇に染まっていく――、

「赤鼻ーぁッ! 鬼子ちゃーんッ! ねぇ! 待ってよぉ! ワケがわからないよぉーッ!」

 ――静寂。

 ひめは めを さました……。
 手のひらに ぬくもりだけが のこっていた。

 つづく。
※この物語はフィクションです。
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