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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 盗賊
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2015-01-08 10:15:17.0 2015-01-08 10:21:02.0テーマ:その他

ゆうはん。(仮)46「……短い間でしたが、お世話になりました」「おや? お嬢さんも宿を出て行かれるんで?」「ええ。ワタクシはある者を追わねばならぬのです……」「そうですかい、お気をつけてくだせぇ」


  第4章 その11

「だって、まおうは、もういないですもんっ」
 目深に被った獣耳フードの奥で、一体どんな眼をしていただろう。

 きっぱりと放った、その少女イオ。
 なに言ってンだ、コイツは。詩人は訝しげに思った。イオは勇者なんだろ? 勇者がやらなくて、誰がやるんだよ、魔王退治なんて。
「ちょ、待てよ。それは」
 言い掛けたが、不意に気配を感じ、詩人は振り向いた。
 背後に何者かが這い寄って来ていた。
 なんと!
 モンスターが あらわれた!
「ぎゃぁっ、でましたですーっ!」
 悲鳴を上げながらイオは詩人の腰にしがみ付く。
 泥状の怪物が三体。
 巨大な上半身だけだ。顔らしきものはない。全身を覆うヘドロが溶けては流れ落ち、地面から生え、またその身体に戻る。それを絶えず繰り返す化物だった。
 しじんは おもった!
 ほら見ろよ、こんなのが、うじゃうじゃ湧いて出るんだぜ? それが何よりの証拠じゃないか。親玉の魔王がいるってことのなぁ。
 べちゃべちゃと不快な音を立てながら、怪物たちがにじり寄って来る。
「うぅぅ、きもいです、こわいですぅ。でも……まけてらんないですっ!」
 おぞましい姿を直視出来ず、詩人の傍らで震えていた少女だが、ついに決意した。
「――この、まほうゆうしゃイオが、たたかうっです!」
 しかし、
「いや、いい。お前さん、ちょっとコイツを持っててくれ」
 詩人は急に持っていた荷物をイオに預けた。
「ほぇ? ちょ、なんですっ、こんな、おもいものっ?」
「商売道具さ」
 言うが早いか、詩人は躍り出た。剣を抜き、なぎ払った。
 しじんの こうげき!
 かいしんの いちげき!
 モンスターたちを やっつけた!
 それぞれに切り裂かれた泥の塊は文字通り土に還って消え失せた。
「むふー……ぅ、さらにやるようになったな、しじんさん、です……っ!」
 と、感嘆する(?)イオ。
「ふぃー……っと。あぁ、悪ぃな。重かっただろ?」
 詩人は荷物を受け取った。
「しじんさん、いつのまにそんなものを、もってたですかっ?」
「べつに誰も、“持ってない”、とは、言ってなかっただろう?」
 ふふふん、と笑う詩人だ。
「それは、へりくつというのではっ?」
「うっさいよ。細かいことぁ、いいンだよ」
 言って詩人は、その“商売道具”を背負った。
 そんなことよりも。
 詩人は続けた。
「これで分かっただろ? それでもまだ魔王なんかいないってお前さん言い張るのか?」
「そうですっ、まおうはすでに、いないですっ」
「じゃぁ、なんで怪物共が出て来るんだ? 魔王じゃなけりゃ誰の仕業だって言うんだよ」
「さぁ? イオ、しりませんっ」
 呆れた。
 所詮は子供相手だったのだ。ったく、ムキになるのも馬鹿馬鹿しい。次の町までと言わず、いっそこのままコイツを置いて走り去ってしまおうか。
「でもでもっ、きいてください、しじんさん」
 小さな両手を大きくぶんぶん振り回しながらイオは叫んだ。
「いまの、このせかいは――、まちがっている、ですっ!」
「ほぉぅ、なにがどう間違いだって言うンだい?」
「たしかに、まおうは、いましたです。でも、なにかがおきて、いなくなってしまったです。それでもまだ、かいぶつさんたちが、あばれているのは、だれかが、あしきちからで、りようしているから、ですっ」
「あのなぁ、イオちゃんよぉ」
 詩人はこれまでで最大級の嘆息をした。どうせ、精霊とやらに吹き込まれただけに違いない。
「いい加減さぁ、目を覚ましたらどぉなのよ? そんなことよりも、楽しく遊んで生きていこうとは思わないのかい? もっと、なんつーか、こう、夢とかないのかよ、その若さでさぁ」

「じゃぁだれが、せかいをすくってくれるです?」

「誰がって……そりゃぁ、世界を平和に導くのが勇者様って奴で……アレ? おかしいな」
「だから、イオがやってやるですよっ! この、まほうゆうしゃイオンが、あしきものどもを、ばったばったとせいばいしてみせますですっ! おりゃー、かかってこんかー、なのですっ!」
「よく言うよ、さっきまで、怪物相手にビービー泣いてたくせに」
「ちょ~~~っ、ないてませんよぉ、なにいってるですかーっ、しじんさんっ!」

 しじんは おもった!
 ……まっ、まぁ、いいか、次の町までくらいなら。もう少し子守りしてやるか。……あれ? おかしいな。なんだ、この感情は……?


「ところで、イオ。次の目的地――、つまり、お前さん、どこに向かって歩いているンだ?」
「はいですっ! うみのむこうのたいりくの、さいはてのちかめいきゅう、ですっ!」
「え、それって結局、魔王城なんじゃねッ?」
 もはや町じゃねぇし、ていうか、海挟んでるしッ!


 つづく。
※この物語はフィクションです。
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