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トロける5000年

ワッサンボン

[ワッサンボン]

キャラID
: XG969-178
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 武闘家
レベル
: 122

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ワッサンボンの冒険日誌

2019-10-20 16:43:45.0 2019-11-10 14:10:59.0テーマ:その他

甘々の冒険者達『7話・それはともかく財布が軽い』(DQX二次創作)

DQXの二次創作小説。独自解釈などあるから注意! 苦手な方は退避デス。
1話は2019/06/23の日誌から。


◆◆7話 それはともかく財布が軽い◆◆

 魔法のレシピは何らかのお菓子だと思う。

 ベツゴウとアイシスの共通した感覚を頼りに、スウィ~ト達はオルフェアの町、料理職人ギルドに来ていた。

「ごめんなさーい。待っててくれたんだよねっ。あ、アイシスちゃんはお久しぶり! あたしこそ調理ギルドの新人マスター、クッキング☆エンジェル ポシェルだよっ!」
「そのセンス。いいね!!」
「うん、知ってる…」
 まん丸つぶらな瞳には夢を、外側にぴょこんと跳ねた金の髪には快活さを、限りなく白く輝くコック帽には誇りを、握った手には愛を。
 一言の挨拶と握手でただ者でないと興奮するスウィ~トとは対照的に、アイシスはとってもクールだ。

「ひや~ん! アイシスちゃんは今日も、頬張れば蕩けるジェラートちゃんだね」
 もっともポシェルは慣れているのか、にこにこと握手して、その手をぶんぶんと振っている。

「それでだね! ギルドマスター、いやクッキング☆エンジェル! このレシピについて意見を伺いたいんだ。ボクの見立てでは壮大でスウィーティーな冒険の予感がするんだよ♪」
 互いの自己紹介を終えて、スウィ~トはざらめの中から、魔法のレシピを引っ張り出す。

 正直一体化でもしてはいないかと心配したのだが、例のレシピは簡単に取り出せるのだ。
 そのうえスウィ~トが持っていようが、アイシスが持っていようが、ざらめは元気いっぱいである。
 そのような現状も含めてこれまでの話を聞かせると、ポシェルはふんふんと強いリアクションと共に聞き入っていた。

「なにか、わかるかーなー?」
 手渡されたレシピを、上下を変えたり裏返したり、はたまた透かして見たりしていたポシェルはにっこりと笑う。
「すっごーく不思議! ワンダーでデンジャー? でも魔物が生まれるなんてポシェルわかんない♪」

 ずっでーん!

 スウィ~トスター☆は前のめりにぶっ倒れ、名前に負けぬ星を散らした。

「ボクの、ボクの期待はっ!?」

「ポシェルは魔物の事なんて専門外だもん。でもでもお菓子のレシピってのはあってるかなっ。ただ、なんだか欠けてたり、余計な部分があったりしちゃう感じ! 一つじゃダ~メ。セットメニューかもっ!」
「セット? 一枚では意味が…ない?」
「そう! 塩味の効いたベーコンとミルクの甘みと酸味を感じるモッツアレラのように♪ 濃厚な風味の鴨肉に爽やかなオレンジのソースを合わせるようにっ、ご一緒するととっても素敵な予感だよっ!」
 ポシェルは小さなお手々を握って親指を立てる。

「あのマッシュウとかいう魔物も、数を集めてるわけか~。これはまた来るよねぇ」
 だろうな~という考えが確信に変わり、スウィ~トはむむぅと唸る。

「私達、もしかしなくてもやる事…多い?」
「パーティーの補強、他にあるかもしれないレシピの情報集め」
「さらに敵も、ざらめも謎だらけのまま…」

  ──しかも。

 ゴールドが足りないっ!
 二人の意見は完全に一致した。
 ちなみに前回のクエストの依頼料はレシピの礼も兼ねて、修理費として半分以上をベツゴウに押し付けたのだ。

「わー。大変そうだねっ! ギルド依頼受けていく? バランスパスタの急ぎの依頼があるよっ」
 ニコニコと提案するクッキング☆エンジェルのお誘いを、丁重にお断りしてスウィ~ト達はギルドを後にする。

「いきなりの強敵相手で、ボディーガードデコイも使い切ったし。あそこで見栄を張らないのも、ボクとしてはあり得なかったし…。ぐぅ、クエスト探さないと」
「スターはしみったれた顔できない? おかげで財政難…。うーん。箱舟代も節約したいところ」
 景気の悪い顔の男女に、通行人も微妙に距離を開けて通り過ぎていく。

「いっそ、おどる宝石を狩り…まくる?」
「い、いやだ。なんかざらめの親戚襲撃するみたいな気分になるじゃん、それぇ!」
 その昔行われたという金策にまで頼ろうとする段になって、幸運の女神はオルフェアの町に降り立った。

(見たところ冒険者のようだし、なかなか面白そ…いやタイミングが良かったんだこれは。うん、ちょうどいい。下の酒場まで歩かなくていいし)
 魔法戦士団の青い制服に、鳥の顔を思わせるグラス付きの帽子をかぶったウェディの女性は、この幸運(?)を逃すまいと、スウィ~ト達に近づくのであった。
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