ハザクラ「トウカさんの様子がおかしいんですよね……」
魔ルシア「いつものことだろう?」
ハザクラ「最近、夜になるとトウカさんが熱に浮かされたように、ふらついた足取りで外に出て行くんですよ……」
魔ルシア「さすがにちょっと怖いな。理由は分かったのか?」
ハザクラ「はい。後を着けてみたんですが。トウカさんの向かった先は庭だったんですよ」
魔ルシア「庭? 最近、やたらトロピカルな滝が増えてドぎもを抜かれたが、他に何かあるのか?」
ハザクラ「いつのまにか畑に人魚姫がいたんですよ!」
魔ルシア「あいつ、私たちに黙ってまた高価な無駄遣いを……」
ハザクラ「トウカさんが有料の水を撒くと、シャボン玉がたくさん出てきて。トウカさんはそれをずっとニヤニヤ眺めてたんですよ……」
魔ルシア「人を美しい歌で水底に引きずりこむセイレーンの物語をトーマに読んでもらった偽りの思い出があるが、まさか実在したとはな。
ハウジンガーから金を巻き上げる恐ろしい魔物と言えるな」
ハザクラ「夏の夜の怖い思い出になっちゃいそうですね」