※蒼天のソウラに登場した自キャラの二次創作です。文字数足りない(
※自キャラに同行していたぱにゃにゃんさんとマユミさんをお借りしています。問題があれば投稿を削除します。
ヴェリナード城下町の宿屋の一室
ベッドの上で、女性が一冊の薄汚れてボロボロになった本を広げ、上機嫌で寝ころんでいた。
横には、人族より小さな女の子が乗っている。背中には、身体と同じくらいのエルフのような4枚の羽根が生えていた。
「いよいよ明日! 楽しみだね! かいり!」
かいりと呼ばれた黒髪の女性は、屈託のない笑顔で答える。
「ええ!ほんと楽しみ! 頑張ろうね、マユミ!」
そして小さな女の子、天使っ子妖精マユミに手を伸ばし、頭を軽くなでる。
「…あんたたち、またそれ見てるの?」
訝し気な表情を浮かべ、二人の横を飛んでくるマユミと同じく小さな女の子。
マユミとは正反対に、彼女は悪魔のような黒い翼をもち、頭には鋭く黒い角が生えていた。
「何言ってるのよぱにゃにゃん!」
かいりはベッドから飛びあがると、ぱにゃにゃんと呼ばれた悪魔っ子妖精の方へ向き、腕を大きく広げた。
「こ~んな…こおおおんなビッグなクエストの前日なのよ!? アタシのテンションをあげるにはもってこいじゃない!!」
「…同じ本何度も読んで、よくテンション上がるわね。しかも、子供向けの勇者の絵本。」
ぱにゃにゃんは、マユミの横に降りる。
枕元に置かれた本に指をさし、読み始める。
「…轟くおたけびに、空が震えました。ギーッと 不気味な音を立てて 大地は割れ 地獄の扉が開いてゆきます。」
「えーっと…ちのそこからおそろしい魔物たちがあらわれ、アストルティアをまっくらやみでおおいました! けれど、人々は なげきませんでした。」
マユミがその続きを読み上げると、かいりは置いてあった自らの剣を持ち、大きく掲げた。
「なぜなら!グランゼドーラ王国に勇者がいたからです!」
はぁ、とぱにゃにゃんが溜息。
「…勇者がチカラを解き放つと、アストルティア中が あたたかい光に包まれ」
「「魔物たちは逃げてゆきました!」」
マユミとかいりは大盛り上がりで、腕を上げている。
「でも、この勇者の話の先って、魔王の城に乗り込んで石にされちゃうんでしょ。」
ベッドの上で、頬杖をついているぱにゃにゃんに、かいりは不敵な笑みを浮かべた。
「フッフッフッ、甘いわねぇぱにゃ。まだまだちゃんと続きがあるのよ!」
「…えっと、わっはっはー! ワナにかかったな ゆうしゃ! しまった!ゆうしゃの身体が石になっちゃう! 魔王の恐ろしい呪いです!」
ノリノリで演技をするマユミに見つめられたぱにゃにゃんは仕方がないように続きを読む。
「…勇者は必死にもがきましたが、だんだん気が遠くなってゆきました」
「くっ、ここまでなのか…!と 勇者の心が折れようとした その時…!」
「「君を死なせはしない!」」
「…チカラ強い声とともに 飛竜にまたがった 勇者の盟友が駆け付けたのです!」
マユミとかいりは二人でハイタッチをする。
「…アンタほんとよく覚えてるわね」
途中から呆れながら眺めるぱにゃにゃん。
「もっちろん!もう何十回、何百回とみてるもの! 一字一句間違えなく覚えてるわよ!」
「でも、今代の勇者は"ユルール"って人って言われてるんでしょ?かいりは勇者じゃないんじゃ…」
うぐっ、とマユミの言葉が刺さったように、言葉を失うかいり。
「勇者や英雄になるって言っても、口だけじゃあねえ。」
うぐうぐっとぱにゃにゃんに追い打ちで突き刺され、膝をつく。
「…はあ、勇者とか英雄になるだとかに憧れるのはいいけど、ノリで安請け合いするのはよしなさいよ。アンタ無茶ばっかするんだから」
かいりは立ち上がり、ぱにゃにゃんとマユミの方へと近づく。
そして腕を伸ばし、かいりはマユミとぱにゃにゃんの二人を抱きしめた。
「っちょ、何よ。」
「わっ、かいり?」
「だいじょーぶ! 未来の英雄 かいりには、心強い盟友がここに二人もいるんだから!」
「「……。」」
かいりの腕の中で二人は顔を見合わせ、笑顔を浮かべる。
「全くもう、アンタは何言ってんだか。」
「かいりのためならいっしょうけんめい頑張るよ!」
二人を腕から離し、かいりは再び腕を上げる。
「ぱにゃ、マユミ! 勇者と盟友のお話をもっかい音読といくわよ!」
「オー!」
「寝ろ!」
こうしてかいりの夜は更けていく…。
そして、夜が明けた!
ヴェリナード冒険者の酒場前
「面白そうな人がいっぱいいるねぇ かいり!」
「アタシより強そーな奴はいないけどねっ!!」
(からかいがいがありそう…❤)
果たして、かいりは英雄になることができるのか
二人の盟友と、数多くの仲間たちと挑め!海底離宮!!
蒼天のソウラ第76話「集う冒険者達」に続く!