どうも、オガ男亭らすくでございます。
この頃は裁縫と木工の装備の為に職人稼業に精を出しておりましたが、そろそろ博打に出たいと欲が出て錬金職人を検討しております。
博打に惹かれるのは人の性、いつの世も変わらぬ道理です。
昔から酒、博打、色事は飲む、打つ、買うなんて申しまして、ハマらねぇよう気を付けなさい、なんてよく言われていたものです。
昔々、オルセコ王国がありました時分にガツという魚屋がおりました。このガツという男、腕は良いのですが筋金入りの怠け者の酒好きでして、この頃はグータラしているか飲み歩くばかりでカミさんに叱られる日々を過ごしておりました。
そんなある朝、堪忍袋の緒が切れたカミさんに叩き起こされ、魚の一匹や二匹でも仕入れて来いとジゴデインを落とされちまったガツは渋々と浜辺の市場へ向かいます。

「ったく、こんな暗ぇうちから主人を追ん出すなんてとんだかかぁだぜ…ふわぁ~ぁ……まだ誰も居ねぇでやんの。」
「ははあ、さてはアイツわざと早ぇ時間に起こしやがったな、あんチクショウめ…しょうがねぇ、浜で一服して待つか…ん?ンだこりゃ…っ!?」
なにやら浜辺に打ち上げられているのを見つけたガツ、どうやら誰かの道具袋っぽいてんで、中を覗くと…
「こ、こりゃあ輝晶核じゃねぇか!!しかも…ひぃふぅみぃ…99個×3は入ってやがる……!
ハ、ハハ…マイタウンが余裕で買えるじゃねぇか…
俺の人生にもツキが回ってきたってワケか、ガズバラン様はちゃーんと俺のことを見てたんだなぁ…南無南無」
途端に浮き足立つガツ。これで貧乏Sサイズ暮らしともオサラバだと破竹の勢いで家へ帰ります。
「おーい!帰ったぞ!」
「なんだいイヤに早いじゃないかお前さん」
「ンなこたぁどうだっていいんだよ、とにかく今から仲間呼んで宴会開くからよ、お前はありったけの酒とメシ買ってこい!星3料理だけだかんな!」
そう言って方々に声を掛け、ヘルクラやドラゴンコイン奢りをメギ1で喧伝したガツは酒場で大宴会を始めてドンチャン騒ぎでございます。

「あっはっは!!(白チャ) 酒持ってこい!!!
ダイスだぁ!?男らしく3000万賭けてやらぁ!!」
などと有頂天のガツ、次第に意識が薄れていきます…
次に目を覚ましたのは自宅の布団の上。
「あんた、アンタ!起きとくれ!!働きもしないで散財ばっかして、どうすんだい!!!」
「ん~…あったまイテェ…うっせぇなぁ働かなくていいぐれぇ金ならあんだろ…浜で輝晶核がよぉ…」
「何寝ぼけたコト抜かしてんだい、ここ最近浜になんて行ってないだろ昨日だって起き抜けに宴会だなんだって家を飛び出して借金こさえて…金欲しさにそんな夢見ちまうなんてあたしゃ情けないよ…」
「………は」
夢?夢だって?
バッと辺りを見回したガツ、昨日拾った道具袋は影も形も見当たりません。
途端に引く血の気。昨夜ダイスで負けた3000万がよぎります。
嗚呼、俺はなんて愚かなんだろうか。働きもせず散財して、挙句夢を現実と思い込んで多額の借金まで…
「………はは、………なァ、もういっそ死んじまうか、俺たち」
「何言ってんだい、…ねぇお前さん。あたし達きっとやり直せるよ。マジメに働いてさ、借金返して…きっとアンタは出来るよ、あたしがずっと支えるからさ…」
「……………そうか。……分かった。なぁ、今まで苦労かけてすまなかったな。今ので目が覚めたよ。
俺ぁ心を入れ替えて働くよ。酒も博打も辞める。
だからよ、俺と一緒に居てくれるか…」
そうして人が変わったように働いたガツ。

勤勉になったガツはみるみると評判を上げ、借金も返し3年後にはいっぱしの店を構えるほどに至りました。そんな折のある大晦日の晩…
「もう年も暮れか……なぁ、こうして立派な店を構えて年を越せるのもお前が支えてくれたお陰だよ、あんがとなぁ…」
「…その、お前さん、あたし言わなきゃならない事があるんだよ…3年前のさ、輝晶核の…あれ、夢じゃ無かったんだよ…」
「なんだって…?」
「あの時拾った道具袋さ、あんなの横領したら重罪だと思って役所に届けたのさ、あんたの泥酔にかこつけて…それで今日、3年経って落とし主が現れなかったからって受け取ってきたのさ…騙しちまって御免よ…許しとくれなんて言わないよ…」
「……そうか。夢じゃあ無かったか…なァ、顔をお上げよ。誰が褒めこそすれ責めるってんだ。お前ぇの心遣いのお陰でこうして俺は立派に居られるんじゃねぇか…」
「お前さん…うぅっ、ありがとうね…
…ねぇ、もう禁酒は良いんじゃないかい?久し振りにさ、ほらっ、年の瀬なんだし良いじゃないかい」
「そんなに言われちゃ断れねぇな…、おぉ久し振りだ、それじゃ…
………いや、よしとこう また夢になるといけねぇ」
オガ浜というお話でした。