これまで4つの大陸を旅してきたが、最後はこのウェナ諸島。
まぁ今回は正確には旅ではなく帰路と言うべきか。
レーンの村へ帰るため、モーターバイクでコルット地方を走っている。
懐かしいな。
俺が旅に出てからはなかなか帰ってくる機会もなく、腕の立つ剣士である親友も同じく旅で村を空けている。
旅の途中、何度も村のことが心配になったが、旅に出たあの頃と変わらない風景に少し安堵した。

村に戻る前に俺はある場所に立ち寄る。
慰霊の浜。
かつて村で起きた悲劇、その被害者達のために、俺は村に戻る前に祈りを捧げに来た。
どうかこの地に眠る者たちの魂に安らぎがあらんことを。
別に信心深い訳では無いが、同じ村で育った人達の事を思えば、祈りたくなるものだろう。
海の向こうへと沈みかかる太陽が、祈る俺とこの浜を、赤く照らしていた。

祈りを終え、村に戻ろうとした時、雨が降ってきた。仕方なく近場の洞窟で雨を凌ぐ。
焚き火を眺め、これまでの旅路を振り返る。
色々なことがあった。
色々な人との出会いもあった。
これまで全てのことが、今の俺を形成しているのだろう。
今までの出会いと、ここまで無事に来れた幸運に感謝し、夜を過ごした。

雨があがり、村にたどり着いた頃には日が昇っていた。
俺はゆっくりと歩き出す。
みんな元気してたろうか。
世界を巡ってどんな事があったのか色々と話したい。親友のアイツの事も含めて。
とりあえずまずは、大きく元気な声でこう言うことにしよう。
ただいま!