ある日、シンさんはエルトナ地方に旅に行きました。
平野を歩いていると立派な野菜が育った畑がありました。
収穫しきれないほどの作物が育ったのか、畑にはまだ沢山植っていました。
『こんなに立派に育てるのにはさぞかし苦労したんだろうな』シンさんはそう思ったそうな。
育てた人に興味をもって話を聞きたいと思い周りを見渡してみると荷台に沢山の野菜が積み込まれた荷車を見つけました。
『あそこに居るんだろう』そう思いシンさんは荷車に近付きました。
そこには人は居ませんでした、それどころか周りに人の気配すらありません。
そう、そこには放置された人工物があるばかりでした。
『はて?何故だろう…?』シンさんは余程疑問に思ったそうな。
収穫をして葉切りまでして鮮度を保とうとして、重い野菜を入れモノいっぱいに入れて荷台に積んでるのに運ぶ前に放置する、なかなかどうして全く意図がわからない。
文化の違いなのでしょうけど、エルフ族のわからない所です。
よくみると畑にも野菜の魔物が住み着いているから長らく放置されているのか、しかし野菜の鮮度を見ると腐ってもない寧ろみずみずしい状態だし荷車も劣化していないから今日収穫したのか、全く時間の読めない状態の畑でしたね。
この野菜は何だろうと最初はわからなかったけど、その後も畑を見て回っていると恐らくカブだという事がわかりました。
エルトナ地方の植物は品質が良くて美しい物が多いから良い値が付きそうなのにもったいないな。
スイセンしかり。
でも出荷し過ぎると値崩れするから生産者が調整してるのかもしれませんね。
それを含めても不思議で少し不気味な風景でした。
…今日のコンセプトは寝る前に読み聞かせ出来る絵本の様な日誌を書く事だったのに、最初だけで全くいつもの日誌になってしまった。
なかなか難しい、伝えたいことをわかりやすい言葉、少ない言葉で届けるのは。
また今度挑戦してみよう。