嘆きのマリーヌ。
海を貫く槍「神器トリト」を携えた彼女は、ウェディの種族神として現代に語り継がれており、現在のアストルティアでも美しい女性の神像として彼女の姿を目にすることができる。
そんな彼女に憧れる一人のウェディの青年がいた。 ユウエンと名乗る青年はマリーヌに恋い焦がれ、彼女をその手中に収めんと方法を模索していた。

図1:マリーヌに祈りを捧げるユウエン
ある日、ユウエンは一人の老人と巡り合う。
ハルモスと名乗る老人はユウエンに釣りを布教しようとするが、当のユウエンは釣りに興味を示すことはなかった。
悔しがるハルモス。彼にとって釣りは人生の全てであった。彼の長い人生における全ての悩み事は、釣りによって解決してきたといってもあまり過言ではなかった。
業を煮やしたハルモスはユウエンに言った。
「青年よ、釣りをしていればお主にも良い出逢いがあるかもしれんぞ」
「出逢い……? 何言ってるんだジイさん、ついにボケて……いや、待てよ、釣りをしていればまさかマリーヌ様に巡り合うことも……!?」
「えっ」
斯くして。
ユウエンは釣竿を手にアストルティアを駆け回り始めた。
五大陸、レンダーシア、果ては異世界まで。
彼は釣竿と背ビレを揺らしながら駆け回った。
時には暗闇の中で淡い光を頼りに釣りをすることもあった。

図2:闇の領界で釣りをするユウエン
ある時は吹き荒ぶ風、荒れ狂う雷の中で釣り糸を垂らすこともあった。

図3:嵐の領界に来てまで釣りをするユウエン
2019年4月1日。
現在に至ってもユウエンは種族神マリーヌを手中にできていない。
しかしユウエンは信じていた。
釣りをしていれば種族神マリーヌに巡り合うことができると。
ユウエンの釣り道は、まだ始まったばかりなのだった。
「オレはようやく歩き始めたばかりだからな……この長い釣り道をよ……!」
ご愛読ありがとうございました。
ユウエン先生の次回作にご期待ください。