―エテーネの村―
「お兄ちゃーん!」
「…ミヅ?」
ミヅ「見て見て!いいでしょ?
アバさまが乗っていいって言ってくれたんだよ!」
「えぇっ!カメ様、歩けたんだ!?」
アバ「これ、ミヅロ 失礼なことを言うでない」
ミヅロ「す、すみません…でもカメ様ってずっと眠ってるし…」
アバ「今日は特別じゃからな
村の守り神、カメ様のお背中に乗せていただく日が来ようとは…
長生きはするもんじゃのう
さぁ、行くぞミヅ
他の者たちも乗せてやらねば」
ミヅ「うん!さぁお兄ちゃんも乗って乗って!
あたしの手につかまって…」
アバ「ダメじゃ!!」
ミヅロ「ふぇっ?」
思わず差し出した手をひっこめてしまった
ミヅ「えっ?」
アバ「ミヅロは乗せられん」
ミヅ「な、なんで…?」
ミヅロ「??」
アバ「そ れ は な…」
ズガシャーン!パラパラ…
ミヅロ「うわわっ!?」
聞き覚えのある爆発音で目が覚めた
「ミヅーっ!!
やっぱりダメだったじゃないか!
どうしてくれるんだい!!」
ミヅ「ご…ごめんなさ~い!;」
「こら!待ちなさい!
…全く!逃げ足だけは速いんだから!
あぁ…今年最後のハツラツ豆が…」
またミヅの錬金が失敗しちゃったみたいだ
さっきの音は、錬金で使う箱が爆発したものだ
一日に一回は聞いてるから間違いない
「ミヅロ!ミヅロっ!
いないのかい?」
あ、呼ばれてる
なんだか嫌な予感…
いつもお世話をしてくれる近所のおばさん、タララさんがやってきた
タララ「おや、まだ寝てたのかい?
あんたにしちゃ珍しいね」
ミヅロ「おはようございます
実は不思議な夢を見て…」
タララ「なんだって?ミヅとアバ様がカメ様に乗っていた?
まっさか~そんなことあるはずがないじゃないか」
ミヅロ「え、だから夢だって…」
タララ「そうだ!それより聞いておくれよ!」
ミヅロ「あ、はい…」
タララ「そのミヅがね、錬金術でハツラツ豆を
10倍に増やすって言ったのに
失敗して全部灰にしちゃったんだよ!」
ミヅロ「あららー…w」
タララ「今年最後のハツラツ豆を…
アバ様がとーっても楽しみにしてらっしゃったのに、ひどいだろ?」
ミヅロ「でも、ミヅもアバ様のために
ハツラツ豆を増やそうとしたことなので…」
タララ「と・に・か・く!
あんたの妹の失敗なんだから
代わりにアバ様に謝ってきておくれ」
ミヅロ「ま、また~?;」
タララ「じゃあ頼んだよっ!」
ミヅロ「…はい…」
僕はミヅロ
エテーネ村に住んでいる、ごくフツーの男の子です
でも村のみんなからは、カメ様の申し子なんて言われています
なんでも、僕が生まれたとき
カメ様が立ち上がったとか吠えたとか…
ほんとなのかなぁ
僕は魔法が使えるわけでもなく(ホイミくらいならできるけど…
剣術もそこそこで、特別な力があるわけでもない
「ミヅロって、やってることは妹の後始末だけじゃん
カメさまの申し子ってほんとにすごいのかなぁ」
ミヅロ「い、イバン君…w」
うーん、そう思われても仕方ないか
僕もよくわからないんだから
とりあえず、アバ様のところへ行ってみようかな
最近元気がないって聞いて心配でもあったし…
「おぉ、ミヅロ」
ミヅロ「あ、ナッサさん
おはようございます!」
ナッサ「もう昼近いんだけどな
見ないから何かあったのかと思ったぞ」
ミヅロ「あれ~そんなに寝てたっけ…w」
ナッサ「そういえば、もう10年も前だっけ」
ミヅロ「?」
ナッサ「お前達の両親が亡くなったのは…」
ミヅロ(朝からそんな話するの!?ってもうお昼か!)
ナッサ「それ以来、ミヅロがずっとミヅの面倒を見てやってるんだもんな
ほんと偉いよ!」
ミヅロ「は、はぁ…」
ナッサ「これからミヅの後始末しに行くんだろ?がんばれよ!」
ミヅロ「えっ!何で知って…!?
あ、はい、がんばります…w」
もう、僕がアバ様の家へ行く=ミヅが何かした
ってことになってるんだろうなぁ…
まぁそうなんだけどw
そういえば、朝ごはん食べるの忘れてたなぁ…お腹すいた
とりあえず用事を済ませてから食べようか
そう思ってアバ様の家へ行った
ー続くー