そんなわけで本編、あまり進んでいないながら現在5.4を丁寧に進行中である。まあ先月からうっかり聖守護者に手を出したあたりで完全にこっちの進行が止まっていた期間があったわけだがまあそれはそれとして閑話休題。
この章ではこれまでの展開の承前が終わりいざ本来戦うべきものに向かっていく、やがて確実に来る嵐の前の静けさ的な気配が強いのだが、その中だからこそ思わずはっと目を見張るような光景に気づくことがある。
その最たるものはイルーシャと巡るアストルティアのひとときの旅での、彼女の目を介したこの世界の景色の色鮮やかさ。そして同じくこれまで見えなかった魔界の光景の以前との変化だろう。
旧ネクロデア領にて、日課のキラ拾い周回していてふと気づく。なんだか妙に視界が開けている。普段との印象の違いを感じて空を見上げると、あの曇天が一気に晴れ渡っていたのだ。
かつて近隣国バルディスタのひとりの将の策謀により悲劇的な末路を辿り、犠牲となった民の怨嗟の念は彼の地を決して晴れぬ暗雲と灰の雨の降る地に変えた。朽ちゆく屍と荒れ果て無残な姿を晒す都を覆い隠したいという思いがそうさせていたこと。そして時を経て彼らの魂は遂に誇りを取り戻したのだと。うず高く積まれた墓石群を照らし出す魔界の陽差し、その美しい空を見上げていて、ふと、自分がこの地にやってきたことでひとつの暗雲が払われていたことに気づく。夜はもう明けていたのだ。
『彼』の魂もまた、誇りとともにこの地を去り、今は彼方から力を送っているのだろう。彼の主に。