そして・・
オレは、まほうのかぎを天にかざした。
魔法の迷宮を駆け抜ける。最奥の幻想的な星降る展望台には、あの伝説のバズズがいた。
紫色で体は小柄だが、オーラが凄すぎてとても大きく見える。
初めてバズズと闘ったんだ。
純粋なままにかがやくいきが降り注ぎ、非情なまでのツインクローがオレの胸を切り裂く。
バズズは強かった。何回戦闘不能にさせられただろう。
でもオレ達は負けなかった。バズズに勝つ事ができたんだ。
赤い宝箱を開けると、憧れだったソーサリーリングが入っていた。
オレは興奮と喜びで体が震えていた。
グレンに戻ると、オレ達はバズズ戦のことをしばらく話してから解散した。
また一人になってしまったから、この事を誰かに聞いてもらいたかった。
すると、偶然にも、オレのチムメンでありアストルティアブラザーズでもある
ウェディ子からチャットが飛んでくる。
「やほー!ルイスこんな時間までやってるんだ?」
オレは、「うんうん、ウェディ子聞いてよ!オレやっとバズズを倒してソサリンを
手に入れたんだよ!!」
「マジー?!ルイス凄いじゃん!良かったねっ!!」
こんな一言二言のやり取りだったんだけど、この最低で最高の大冒険を
聞いてもらえた事がとても嬉しかった。
気の合う仲間と一緒に冒険するのはとても楽しくて、でも見ず知らずの野良で
PTを組むのも凄く楽しい。
後に野良でとても素敵な出来ごとがあるんだけど、それはまだまだ先のお話。
その時のオレはそんな事はつゆ知らず、お気に入りのソサリンを眺めながら
夜明けが近い大都会のグレンをダラダラとだらしなく歩いていた。
薄暗い部屋のテレビに映った真夜中のバズズ戦。
今でも5月の夜の風に包まれると、あの香りと供に
この時の事を思い出すんだ。