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百戦錬磨のシェフ

ペルトドリス

[ペルトドリス]

キャラID
: YK435-183
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 賢者
レベル
: 122

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ペルトドリスの冒険日誌

2017-07-04 23:31:35.0 テーマ:その他

ある冒険者(2)



※3.5後期UD前までのメインシナリオに関する話を含みます。




──私には故郷がない。


故郷の村は滅ぼされた。
冥王ネルゲルの手によって。

私はその時に死んだはずだったんだけど、
気がついたら見たこともない姿に転生しろとか言われてね。
海になんか憧れてたから、ウェディの姿を選んだよ。

正直、よく分からないまま広い世界を旅したよ。
初めて目にするものばかりで楽しい旅ですらあった。
もしかしたら夢かもしれないと思ってた。
だから私もいろいろ凄い事できるのかな〜って。

村が滅んだのも夢か何かじゃないかと思ってたんだ。

でも、旅の果てにとうとう辿り着いてしまった。

兄の残したハナを見たとき、これが現実だと理解してしまった。
私に帰る場所はなくなった。
「いつか三人で笑い合えたら」そう幼馴染は言ったけれど、
この旅が紛れもない真実なら、昔と同じみたいな時間はもう戻ってこない。
それくらい、わかるよ。


今まで自分の上げた功績もどこか他人事に思えた。
何だかんだでもう無い故郷を心の拠り所にしていた私は、これからどうやって頑張ればいいのかよく分からなくなっていた。
そんな時、お腹がすいてふらふら立ち寄った調理ギルドで変わった奴に出会ったよね。

ひょろひょろのウェディの男が見習いでヘマして一人浮いてた。
でも何となく気になったから、料理作れるのって聞いて無理言って作ってもらったら
まだ雑用のくせにやたら正確な味付けしてきて「見込みあるな」って思ったんだ。

だからね、シェフ
私キミを利用したのよ。
根無し草になった私と、このままじゃ出世できなそうなキミ。
一方的に助けてあげるフリして、お願いを聞いてもらったよ。

旅の目的とか大事なことはテキトーぶっこいてごまかしたし、
今までの冒険の中から派手で信じなさそうなことばかり話す。
そんなでもホラ吹き扱いしながら結局真面目に聞いてくれてお人好しだね。

この先自分がどうなるか、全然わからないからね。
兄貴には会えたけど全然安心できないし。
勝手に死ぬことにされてるしね。
だから突然なにかあって来なくなるかもしれないよ。


せめて、そうなるかもしれない日まで
「変わらない場所」でいてください


私の拠り所になってください。
何も知らないままでいいからね。
それでリピートしない客みたいにいつか忘れてよ。

そして、できれば…
他の私みたいなやつにとっても、そういう存在になっていくといいよ。


今のキミならきっとできるよね?











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