『光の眩しさと、置き去りの影』
新しくチームに加わった仲間たちの弾けるような笑顔と元気な歓声が、アストルティアの澄み渡る空に響き渡っていた。
新メンバーは本当に優しく気配りのできる素晴らしい人たちで、彼らの眩しい笑顔を見るたび、胸にはあたたかい喜びが満ちてくる。大好きなチームが賑やかになり、新しい風が吹き込んでいくこと。それは間違いなくずっと望んでいた光景であり、新米総領としてこの場所に居場所をもらえてよかったと、心から思える瞬間でもあった。
だが、討伐隊のパーティー編成を告げる掲示板の前に立った瞬間、胸の奥底がぎゅっと、息が止まるほど強く締めつけられた。
掲示板に刻まれていたのは、新メンバーたちの名前と、いつも自分の少し前を歩いてくれていた、大好きなあのベテランさんたちの名前。
そして、そこに自分の名前だけがなかった。
(あぁ……私だけ、一緒に行けないんだ)
視界が歪むほどのショックと、胃のあたりが重く吐き気を催すような激しい苦しみが押し寄せてくる。
たった4人というパーティーの枠。頼もしいベテランさんたちが新しい仲間を歓迎し、サポートするために一緒に冒険へ出るのは当然のことだ。新メンバーは何ひとつ悪くないし、むしろ心から応援したいと思える本当に素敵な人たちだ。チームの成長としても、これ以上ない正解なのだと頭ではわかっている。
けれど、心の奥底で蠢くドロドロとした暗い感情が、その正論を塗りつぶしていく。
危険な攻撃が迫ったとき、咄嗟にかばってくれた頼もしい姿。
全滅しかけて必死で立て直したあとの、安堵に満ちたみんなの笑顔。
くだらない冗談を言い合いながら、ただあてもなく大陸を駆け抜けた時間。
自分にとって「アストルティアでの冒険」とは、そのまま「あの人たちと過ごす時間」のことだった。尊敬するあの人たちがいたから、頼りない新米総領の自分でもここまでやってこられたのだ。
なのに、チームが大きくなり素晴らしい仲間が増えれば増えるほど、あの人たちの隣は遠のいていく。ベテランさんたちは今、新メンバーたちにあの優しい眼差しを向け、自分にしてくれたように温かく導いているのだ。
「みんなが良い人たちで本当に嬉しい」という嘘偽りのない純粋な喜びと、「自分だけが必要とされていないのではないか」という耐えがたい惨めさ。
身勝手で歪んだ嫉妬心が激しくぶつかり合い、胸の中をぐちゃぐちゃに掻き乱していく。吐き気がするほど醜い感情を抱えてしまう自分が情けなくて、惨めで、ただ息が詰まりそうだった。
「じゃあ、行ってくるね!」
弾んだ声とともに、ベテランさんたちと新メンバーが笑顔でダンジョンへ向かって走り出していく。
遠ざかっていく背中を、自分はただ立ち尽くして見送るしかできない。
本当は、今すぐ追いかけてその手を掴みたかった。「私を置いていかないで」「また前みたいに、みんなと一緒に冒険させてください」と、みっともなく縋り付いて泣き叫びたかった。
胸を押し潰すような激しい切なさと苦しさを抱えたまま、新米総領は誰もいなくなった拠点に一人、ぽつりと取り残される。あたたかいチームの光と、自分を包む痛いほどの孤独を、その小さな背中に重く背負いながら。

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