『試練の霊廟と絆の光』(前編)
「ひ、ひぇ……本当にここに入るんですか……?」 デフェル荒野の乾いた砂嵐の向こうにそびえ立つ、古の巨構ピラミッド。重厚な石門を見上げながら、僧侶のりょうすけは愛用のスティックを折れんばかりの力で握りしめた。開いた門の隙間からは、何百年も前に途絶えたはずの死の臭気と、皮膚を刺す冷たい闇が漂い出している。
「何言ってるのさ、りょうすけ! ここを突破しないと一人前になれないって、レオンライト先生も言ってたじゃん!」
武闘家のグミが八重歯をのぞかせ、たくましい腕のバンテージをギュッと締め直す。
「おうよ。ビビる気持ちもわかるが、俺たちがついてる。背中は任せな」
バトルマスターのコブノタンも背負った二本の大剣の柄を叩き、豪快に笑ってみせた。
※「ふふ、ふたりとも頼もしくなったね。――りょうすけ」
闇の影から静かに歩み寄ってきたのは、師匠のレオンライト先生だった。目を細めて温かく微笑むと、身を縮めるりょうすけの肩にそっと手を置く。
「自分を信じなさい。君の掲げる聖なる光は、仲間を絶対に絶望へは落とさない。……さあ、試練の始まりだ」
「は、はい……! 僕、がんばります……!」
先生のぬくもりに背中を押され、決意を固めた3人は石造りの薄暗い回廊を進む。
しかし――最奥の広い祭壇に足を踏み入れた瞬間、そこは地獄に変貌した。
ずずず……と足元から不気味な地鳴りが轟き、石床の亀裂から黒濁した瘴気が噴き出す。
『ギシャアアアアアッ!!』
耳腔を刺す奇声とともに現れたのは、血塗られた古びた包帯を纏う『ミイラ男』の群れだった。
「なっ……増援か!? きりがねぇ……ッ!」
壁や床の亀裂を押し広げ、無数の腐り落ちた手が這い渡ってくる。12匹、18匹……終わりなき死者の波が3人の体力を蝕んでいった。
「くっ……『ためる』……っ! でも、もう……息が……!」
絶え間ない連戦にグミの呼吸も乱れ、精神を研ぎ澄ます闘気も途切れ途切れだ。コブノタンの大剣も返り血と脂で重く鈍り、甲冑は傷だらけ。そして何より深刻なのは、りょうすけの魔力の枯渇だった。
(ダメだ……頭が割れるように痛い……! 薬も使い切った……っ!)
『ベホイミ』を投げ、『スクルト』を重ね続けてきたが、体内から湧き出ていた聖なる光の源泉は完全に干上がりかけていた

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