『試練の霊廟と絆の光』(後編)
「りょうすけ……回復はいい……! 自分の身を守れ……!」
コブノタンが膝をつきかけながら必死に耐える。その背後に、巨大な禍々しいオーラを纏った『巨躯のミイラ男』が血塗られた爪を振り上げて迫っていた。
「ダメです……! 誰も死なせないって……決めたんだ……!」
りょうすけは遠のく意識を振り払い、胸の奥に残された最後の魔力を絞り出す。
「天の裁きを……ッ! 『バギ』ぃぃぁぁぁッ!!」
渾身の叫びとともに放たれたのは微かな竜巻。魔力が底を突いていたため風は頼りなかったが、巨躯のミイラ男の目を一瞬眩ませ、踏み込みをわずかに鈍らせた。
「コブノタン、合わせろッ! 一気に叩き潰すよ!!」
りょうすけが作った一瞬の停滞。そこへグミが地を蹴って跳び込んだ。軸足を深く沈め、地を揺るがすほどの重爆な『足払い』を叩き込む!
ドカァンッ!
重厚な巨躯が浮き上がるように大きく体勢を崩した。その無防備な胸元へ、グミは間髪いれずに強力な掌底を突き上げる!
「いっけぇぇぇッ!!」
「おうよっ! 叩き落としてやるぜぇぇッ!!」
グミの打撃の衝撃で無防備に反り返ったボスの死角へ、コブノタンが暴風となって飛び込んだ。交差させた二本の大剣が、グミの攻撃の残像をなぞるように空を斬る。
『天下無双』――!
グミの怒涛の掌底打撃がミイラ男の体幹を完全に固定し、そこへコブノタンの二本の大剣が閃光となって交錯する。左右交互に繰り出される豪快な一撃一撃が、グミの打撃で亀裂の入った外殻を正確に断ち切っていく。
ズババババッ!!
「これで……最後だぁぁぁッ!!」
グミが極限まで錬り上げた最後の闘気を右拳に宿し、空中で旋回しながら叩き込む『正拳突き』!
同時にコブノタンが二本の大剣を力任せに振り下ろす全開の『袈裟斬り』!
二人の完璧な連動がボスのアゴと胸元を挟み込むように激突した。
ズドォォォォンッ!!
爆発的な衝撃波が空気を揺らし、巨躯のミイラ男は四散した。
黒煙が薄れる中、3人は満身創痍で倒れ込む。MPもスタミナも完全に『0』だ。
「はぁ……はぁ……勝てましたぁ……」
りょうすけの目から安堵の涙がこぼれ落ちる。
「……ふふ、凄まじい連携だったね。満点以上だよ」
闇の奥から拍手を鳴らし、レオンライト先生が歩み寄ってきた。
「極限の絶望の中で、見事な絆で勝利を掴み取った。立派だったよ、りょうすけ」
「……はいっ……!」
枯れ果てた身体に先生の手のぬくもりが染み渡る。3人はボロボロになりながらも、満身創痍の笑顔を交わし合うのだった。
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