第4章:『はじまりの地』の庇護と真実の聖導
目を覚ましたりょうすけを迎えたのは、暖炉の薪がはぜる音と、凝固した薬草の濃厚な匂いだった。彼を絶望の淵から救い上げたのは、ギルド内でも一目を置かれる孤高の実力派チーム**『はじまりの地』**であった。
リーダーのギルティは、息を呑むほど美麗な容貌を持つ人間の男でありながら、その手から放たれる回復光は裂けた肉体と骨折を一瞬で塞ぐ「天才僧侶」だった。
「目を覚ましたか。君を捨てた者たちは、ギルドの規約違反と人道への背信により、すでに相応の報い(討伐資格剥奪と追放)を受けさせたよ」
冷徹に見えて、その瞳には深淵を見通す高潔な理性が宿っていた。
副リーダーのカナーは、丸太のような腕と超重厚なプレートアーマーを纏う「鉄壁のパラディン」だった。全身は極限まで鍛え上げられた傷だらけの鋼の肉体であり、笑うと地鳴りのような声を響ませた。
「ガハハ! 酷い目に遭わされたものだ! だが安心しろ、この俺の盾の後ろにいる限り、世界のどんな暴力も届かん!」
そして、もう一人の副リーダーレオンライト。白髪を蓄えた威風堂々たる人間であり、深みのある深遠な眼光を持つ「魔法使い」の老人だった。彼は真面目だが要領の悪いりょうすけの性質を見抜き、厳しくも温かい指導を開始する。
「りょうすけよ。僧侶の力とは単なる都合の良い奇跡ではない。己の生命力を変換し、世界の理を書き換える不屈の意志だ。不器用な者ほど、その基盤は固く、強く打たれた釘のように折れぬものとなる」
さらに、りょうすけの前には同期・後輩にあたる熱き若者たちの姿もあった。
一人は、りょうすけよりほんの少し早くチームに加入した片手剣の二刀流使い、バトルマスターのコブノタン。「へッ、またヘナチョコが増えたのかよ! 俺より後に入ったんだから足引っ張んじゃねえぞ!」と非常にプライドが高く、口も態度も荒い。実力的にはりょうすけとそう変わらない駆け出しの域を出ないのだが、強がりな態度の裏には熱い情が宿っており、傷ついた仲間を見捨てず、戦闘になれば誰よりも前に出て必死に剣を振るう男だった。
もう一人は、素手と拳を握りしめる新人の男性武闘家グミ。「おどおどしてる暇があったら拳を振るう! 俺には才能も火力もない……だから人一倍努力して、この肉体を武器にするんだ!」と、己の未熟さを直視しながらも決して臆することなく、血を吐くような泥臭い鍛錬を繰り返す不屈の熱血漢だった。
裏切りとダイコンの凄惨な死によって凍てついていたりょうすけの心は、彼らの泥臭くも本物の強さと情熱に触れ、少しずつ熱を取り戻していった。