第6章:極夜の死闘
ランガーオ雪原の最奥、古代の魔導遺跡が眠る漆黒の洞窟にて異常事態が発生した。討伐隊として向かった幾つもの先進パーティが全滅。原因は、溢れ出た強い怨念と神の異界の歪みを吸い上げ、絶望的な狂気的進化を遂げた存在――**『まおうのつかい覚醒』**の出現であった。
『はじまりの地』を含む大規模討伐戦が展開されるが、戦場は瞬く間に死臭と叫喚が渦巻く地獄絵図と化した。
漆黒の冷気と紫の狂雷を纏うその魔物は、通常の個体とは次元が異なっていた。振るわれる漆黒の大剣の一撃は氷床を容易く叩き割り、巻き起こる死の波動は数万の肉体と盾を一瞬で肉片へと変える。
「うおおおっ! 押し込めぇッ! 怯んでたまるかあぁッ!!」
グミが叫び、己の肉体の限界を超えた連続脚蹴りと正拳突きを魔物の硬質な足元に叩き込む。激しい衝撃波が弾けるが、魔物の絶望的な装甲の前には決定打とならない。
「チッ、硬えんだよクソが! 俺を誰だと思ってやがる、切り刻んでやるぜぇッ!」
コブノタンがプライドを爆発させ、両手の片手剣を激しく交差させて火花を散らしながら、死角からの怒涛の超連撃を叩きつける。しかし、魔物の振るった太い腕の薙ぎ払いを喰らい、コブノタンは岩壁へと豪快に叩きつけられ、口から大量の鮮血を吐き散らした。
「総員、浮き足立つな! 陣形を維持しろ!」
カナーが叫び、巨大なタワーシールドを掲げて魔物の巨大な黒剣を受け止める。激しい金属音とともに火花と肉の焦げる臭いが散り、衝撃波で周囲の氷床が粉砕される。カナーの無敵の肉体をもってしても、衝撃で全身の皮膚から鮮血が噴き出した。
レオンライトが最上位の炎魔法で必死に牽制し、ギルティが神業のような速度で回復術を回すが、覚醒した魔物の殺意はそれを上回る速度でパーティ全員を追い詰めていく。