第6話:狂乱の連撃と最期の炎
「ガハハッ! 体中から力が湧き上がってきやがるぜ! ありがとよ、りょうすけぇぇッ!」
完全再生した肉体を躍動させ、グミが爆音とともに氷床を蹴った。超高速の突撃。聖光によって姿勢を崩したドラゴンに対し、グミは己の拳と爪に全斗気を集束させる。
「俺たちの泥臭さを舐めるなよッ! 『ライガークラッシュ』!!」
ドカカカカァンッ! 目にも留まらぬ五連撃の爪撃が、ドラゴンの無防備な胸元を穿つ。硬質な鱗が砕け飛び、肉と骨が潰れる重厚な音が洞窟内に鳴り響いた。
続いて疾風のように影が走る。旅芸人・マンティスだ。彼はマントを躍動させながら戦棍を極大の遠心力で振り抜き、ドラゴンの足関節の太い骨を正確に砕いた。
「……終わりだ」
ボソリと呟かれた一言とともに、ドラゴンの巨大な膝が折れ、巨躯が地面へと崩れ落ちる。
「僕を足止めできると思うなよーっ!」
頭上から降り注いだのは、短剣を逆手に構えたプクルだ。倒れ込むドラゴンの長頸へと躍り乗り、急所である竜の眉間へと二本の短剣を深く突き立てる。
「絶望の神様に伝えなよ! 僕たちは簡単に死んでやらないってね!」
極めつけは、後方に鎮座する大魔法使いの解き放つ、真なる絶大魔法だった。
レオンライトの眼光が深遠な赤に染まり、杖の先から天を衝くほどの巨大な超極大炎の槍が生成される。洞窟内のあらゆる冷気が一瞬で蒸発し、凄まじい熱風が吹き荒れた。
「神意の戯れによって散っていった無数の魂よ……この一撃をもって鎮まるがいい。『メラゾーマ』ッ!!」
ドドォォォンッ!!
放たれた超高熱の炎塊が、プクルが短剣で突き穿ち、りょうすけの聖光で闇の衣を剥がされたドラゴンの核心を真っ向から貫いた。
「ルアアァァァァオオオオオオオオ……ッ!!」
絶叫とも悲鳴ともつかないドラゴンの断末魔が轟く。激しい爆発とともに、巨大な竜の肉体が内側から崩壊を始め、漆黒の体躯が光の塵となって弾け飛んでいった。神意の歪みが浄化され、洞窟内に充満していた異界の邪悪な気配が、潮が引くように消え去っていく。