今でも思い出す。
あの夏の日のことを。
それは、孤島の教会であった誰も居ない小さな結婚式。
私は幸せでした。
あなたと出会えたこと
あなたと一緒になれたことを。
たとえ、すぐに離れ離れにならなくてはいけない運命だったとしても。
私がてを差し伸べると、あなたは頬を紅く染めながら少し俯きになりながらも握り返してくれた。
私はそれがたまらなく可愛くて、つい口元が緩んでしまったわ。
神と神父さまの立ち会いの下、私たちは一緒になれた。
この幸せが何時までも続ければいいのに
そう願ってた刹那
時間がやってきた
あなたは旅立たなければなれない
世界を護るため、仲間の所へ
あなたは笑顔で言った。
必ずあなたのもとへ帰ってくる。
と。
教会の鐘が鳴り響く。
それは、喜びとも悲しみともとれる音色
それは、福音
もしくは、警告
運命に翻弄されるなか、私の我が儘を聞いてくれた優しいあなた。
命を賭してでもやらなければならなないあなた。
今の私には祈ることしか赦されない。
海の神、マリーヌ様
願わくば、あの人の無事でありますように。