「はぁはぁ・・・ククリョーマ、なんとか試練の魔物を倒せたみたいね。」
「あぁ・・・。」
僕達は破邪の試練で勇者の盾をアンルシアに習得させる試練をやり遂げる。アンルシアは光り輝き始め蛍のような光る粒が舞っている。
「これは・・・私の中に大きな力が湧いてくる・・・。」
「き、綺麗だ・・・」
僕は目が泳ぎながらもチラチラとアンルシアを見てしまう。身体は湯気がじゅわっと来そうで仕方なくて目のやり場が困ってしまった。そしてどこからともなく声が聞こえた。
「アンルシア姫。それにククリョーマよ。よくぞ試練の魔物を打ち倒した。アンルシア姫の人を守ろうという強い意志をわしも感じた。守護の試練を果たした事を認めようぞ。」
「感謝いたします。エイドス様。ですが私はただククリョーマを守ろうとしただけで・・・」
「え・・・・」
僕はアンルシアと同じ気持ちだった。勇者覚醒とトーマを失いアンルシアが勇者だと知って絶望した過去。そして辛い記憶でも受け入れる姿勢。僕はアンルシアを「守りたい」と思っていた。
「・・・かまわぬ。それこそがこの守護の試練の目的なのじゃからな。誰かを必死に守ろうとしたその気持ち。これからの戦いでも決して忘れるでないぞ。」
「はい。エイドスさま!」
光は消え去り、アンルシアは勇者の盾を会得した!
「では今一度秘密会議に戻るがよい。まだ話し足りぬことがあるでな。」
「ありがとうククリョ・・・」
「・・・・」
僕は涙ぐんでいた。コソコソ隠れるようにアンルシアにバレないようにしてたがアンルシアは僕を見て一瞬口を開けて唖然とした。
「あなた、本当に純粋ね・・・」
アンルシアは笑顔で僕の頭を撫で始める。
「だ、だって同じ気持ちだったから・・・」
「ありがとう・・・」
アンルシアは抱きつく。目をうるうるしつつ笑顔で包みこませ温もりを感じさせる。
「お陰で破邪の秘技の一つを会得できたわ。ククリョーマと私の努力だわ・・・」
「ありがとう。俺、君の守れる盟友になりたい。ガーディアンの盟友に・・・アストルティアと君を守る・・・。」
「えぇ。私も貴方を・・・」
僕は腕をアンルシアの背中に回しぎゅうっと抱きしめた。僕達は勇者と盟友の関係になった。どんな困難があろうとも盟友として尽くしたい。アンルシアを守れるならなんだって・・・。
◯
僕はアンルシアの自室に入る。すると、アンルシアは後ろで僕に気づかずなにやら独り言を喋っていた。笑顔で何かを思いながら嬉しそうに零していた。
「ラスカのはしゃぐ声・・・コペお祖母様の焼いたフワフワのパン・・・」
そして、後ろにいた僕に気づく。アンルシアは口を抑え動揺した。
「あっククリョーマ。もしかして今の独り言聞かれちゃった?」
僕は頭に湯気が昇り顔が赤い薔薇のような顔をした。「・・・か、可愛すぎ・・・///」
アンルシアもカァーっと僕と同じようにそうさせる。「ククリョーマ!バカッ!そ、そんなこと言われたら私どうしたら・・・」
「・・・もっと見せていいよ。僕だけに。」
蕩けた笑顔で僕はそう言う。焼いたマシュマロが溶けさせるようなそんな甘さ。
「~~~~///もう!私どうにかなりそうじゃない!」
アンルシアと僕は数分、見つめて逸らして見つめてを繰り返す。僕達の顔は紅赤のまま・・・するとアンルシアは深呼吸し始め口を開ける。
「・・・メルサンディ村で暮らしていた時の事を思い出していたの。偽りの世界のこととはいえあの村でミシュアとして過ごした時間は何物にも代えがたい大切な経験になったわ。」
「あぁ。」
「・・・かつての私はトーマ兄様や自分の身近な人を守る事までしか考えが及んでなかったの。でもメルサンディ村で暮らす中で私には沢山の守らなきゃいけない人がいるんだって気づくことができたわ。」
そしてアンルシアは祈るような仕草をする。聖母のようで眩しそうで・・・
「メルサンディ村だけじゃない。私はこの世界で暮らしている全ての人々を守りたい。」
アンルシアは両肘を曲げてグーにする。
「それが勇者としての私の役目だわ。命に代えても果たすべきことよ。」
アンルシアは僕に手を差し伸べる。
「そのためにもあなたの力を私に貸してほしいの。よろしくねククリョーマ!」
「・・・あぁ。絶対貸すよ。世界をエテーネ村の惨劇の二の舞にはさせねぇ!!」
「えぇ!」
僕はその手を掴む。守る守られる関係。恋愛という一線を曖昧にするが一歩歩いたり一歩退いたりしちゃう。だがきっとこの先は進展できる。僕達ならきっと・・・。
終わり