「あああああああああああああああああ!」
なんだ、名前入力のミスか。
それはキャラクターに対して失礼だぞ…っと、よく見たら災厄殺しの魚人か。
そうではない!人魚なのだ!とあやつは乙女な主張をするだろうが、
このようなガサツな物言いは人魚はすまい。
断じて人魚とは言ってやらん。
『ハイ、コチラコドモデンワソウダンシツ』
「ちょっと聞いてよー!」
あんたは昼あたりに電話相談してくるおばちゃんか。
言ってしまったものは仕方ない。
ここはミノーンモンターの相談コーナーではなく、子供電話相談室ってことに今なった。
仮に用件違いなら
『うん、そうだねえ。お電話番号確かめてねえ。』
とでも言ってガチャ切りするまでだ。
『ハイ、ナンデショウ』
「メギスで討伐依頼売れないのよおおおお!」
『知るかボケ』
おっとしまった。つい反射的にオトナになりきれなかったようだ。
なんだ?名声レベル30前半の私に対する自慢か?
そんなこというと日誌にいいね!の数ぶんだけ名声増やせって、
提案広場に書いちまうぞ!
…いいね狙いの駄文が増えて崩壊するか、
組織票で崩壊するかの二択だろうが。
てかほんとは私そんなのもとめてないし!
そんな実利が伴うような日誌かきたくないし!
たんにチヤホヤされたいだけだし!
記憶障害になりながら私は私の良心に訴えかけた。
もっとも、本心は隠しきれていないようだったが。
『つーかイタ電すんなよ』
「だって全然売れないんだもん!」
討伐商売のことはよくわからないが、
特訓も経験値も僧侶だけはカンストしている私には
めんどくせえことこの上ないようにしか見えない。
他の職業はやる気ないし。
だから利益も考えずに暇なつよぼす討伐なんかやってる訳だが…。
よってなにひとつ理解もできなかったのだが、
ひとしきり喋り終えると魚人は満足したようで、営業に戻って行った。
まったく、イタ電とはバカにしてる。
そんな挨拶しかできないのは、私はどうかと思うんだがな。
お、まだつよぼす誘ってないしーなさんがいた。
誘ってみるか。
『メロンソーダください』
ちなみにメロンソーダくださいとは、古代アストルティア語で、
『こんばんは、強ボスを倒しに行きませんか?』
という意味だ。
ダの語調を上げ下げすることで、朝昼晩の挨拶を使い分けるらしい。
もちろん嘘である。
だが私は普通の挨拶が出来ないエルフだったので問題ない。
聞けば、フレさんと強魔神兵を倒しに行くらしい。
ゲストとして参加させてもらうことにした。
編成としては
バババババババババババババーカ
ーカの部分が私担当でありオチを
…
ごめんなさい。
ババ僧僧だ。
作戦は至ってシンプル。
バ:なぐる、おす
僧:グラウンド100週。たまにとまって回復。
こんだけである。
魔神兵は回復にブチ切れまくる上、足が安全運転なので、
かなりチギりやすいのだ。
遠距離攻撃や範囲攻撃はあるが逃げている分には巻き込まれにくい。
ファイナルドリフトとか石柱走法が使えれば、
僧侶でも余裕で無駄足を踏ませることができる。
あ?ないだと?じゃあ普通に走ればいいだろ!
それでも前衛がタゲられまくると弱いのだが…
そのあたりはオーバー気味に回復をぶっ放すといいだろう。
結局オーブは手に入らないままタイムアップだし、
ゲスト出場だからかいまいちはっちゃけ切れなかった。
ちょっとだけ残念ではあった…。
どちらかというとはっちゃけ切れなかった方が。