シーンの冒険日誌

戦いに出る前に、行き先は？と問われて私は言った。
『それはダイスが決める事です。』
『ダイスの神に全てを委ねなさい。』
『旅の安全をダイスが決めてくれるでしょう。』

…

ねえよ、そんなもん。
居ても結果を最初っから知ってる悪魔だ、たぶん。

そんな事を思いながら地べたに伏していた。
認識があまかったのさ。
プスゴンを通して私はまた成長した気がする。


なわけねーだろ。
次あったらブッ殺す。


いしのさんからフレチャでなんか
「またプスゴン？」とか言われたので愚痴っといた。
あちらは全員ブーメラン部隊らしい。
そっちのほうが楽そうだな…というのが素直な感想だった。
いや、時間はかかりそうだから別の意味で苦行なのは間違いないが。

私は悪くない。
いや、強いて悪いとしても５０％ぐらいだ。
間違いない。


次の目的地が決まった。
バサグランデつよしだ。

つよしくんは私がつよぼすに行くのを当時諦めさせたいじめっこだった。
それがトラウマとなり現在にいたるまでつよぼすと戦わせなかった。
つまりこのような状況をうみだした元凶でもある。
ちなみに蹴りはしても礼を言うつもりはサラサラない。

しかし負けたせいかちょっとパーティの雰囲気が静かだな…。
最初が負けだったのが効いているのだろう。
ここはひとつなにか気のきいたネタをだすべきか。

そういや地下深くのダンジョンなんていうのはここ最近はいってなかったな。
いっつも建物に入ればルーラストーンで頭ぶつけろだなんていっては
いっさい実行しない私だが…
そうだ、ここはちょっとだけ頭をぶつけてみようじゃないか。

いつもやらない、実行しない、サボりの私がやれるとこをみせてやれば、
少しはパーティ内での地位を確立できるのではないか！
いや！そうにちがいない！
これをすれば少しはぶつける行為に理解を得られるのではないか…！！！
そう思って「即座に」私は実行に移した。

５秒後、派手な音を立てて私は転げまわっていた。
…
なんだ。
パーティメンバーの反応がなんだか痛々しい。

「？」
「なにをやっているんだこいつは…」
「ｗ」

えっ

いや。あの。

よくよく考えてみれば私が頭をぶつけるまでの過程について
会話で一切触れられていない以上、
どうみても使う必要もない選択ミスもありえないような
ルーラストーンを使い出して頭をぶつけだしたバカがいるようにしか見えない。

頭をぶつけることで脳内からその思考過程がもれていればよかったのだが
残念なことにそんなグロい表現はこのゲームにはないし、
視覚的にそのような私の崇高な思想（笑）は見て取れるはずもない。

つまりあれだ。
私は私の地位を向上させるどころか一気にバカである。
パーティ内の注目を浴びることには成功したが、
浴びたくない類の注目だった。

『あー…あの、これはだな…
　ほ、ほら、ちょっと頭をリセットしたいときとかあるじゃん！』

「ないない」
「ないよー」
「ｗ」

…渾身のフォロー、失敗！
なんだ、私には自己弁護すら許されんのか！

私はうなるしかなかった。

そんなこともありながらバサ強に到着。
結論から言うと奴は既に過去のお犬様でした。
魔３でも負ける要素はほぼなし。

バカでも勝てるんだぞ！！！
いや、バカじゃないし。
ちゃうし。

２戦したあたりでルレアさんが時間切れ。
オーブはとれなかったし私の地位もがた落ちである。
全く無益な戦いだった…。

あ。
む、無益じゃないよ！時間切れなのはしかたないしね！
どうせ２戦したら次いくつもりだったし！

でも地位なー…地位がなああああ…。
はぁ。

次いってみようか。

続く。


なお、地味に本戦によって、強ボスは全て制覇したことになる。
戦闘経験だけなら全部こなしていたが、バサ強を倒すことで
１０匹全ての撃破は達成されたわけだ。
…いいのか、これで。