「僧正、悪霊行きましょう」
モンテさんからそんな招きを受けたのは昨年末のことだった。
なんでも「私が」行きたそうにしていたから、というのが理由らしい。
…多分、言ってないと思うんだが。
一言一句たりともそれに類する言葉は言っていないと思うんだが。
またしても拡大解釈か。
話を振ったときに「頼むからそれだけはやめてくれ」とでも返した所を
「それ以外ならいい」とか言うような表現として、
非常によろよろしー理解力を発揮したに違いない。
結局どうせアレだ、壊滅的な何かを背負わされるに違いないんだ。
『アレだ』って表現で良く語ることあるよな私。
…その、アレ、の先を想像したくないんだよ。
感覚で既にそれを感じ取ってるから具体的に表現したくなくなる。
把握してから頭ン中で言葉に変換して、
逃げたいですって頭をなんとか持ち直そうってまでの間に、
最早何かいけない何かにまとわりつかれてるような気がする。
実際もうアウトだろう。
だから…
パーティメンバーが
モンテさん(戦闘民族)と
いしのさん(戦闘民族)だったりすると
『私は、この時点で状況(手遅れ逃げ場なし胃腸は死ね)
を理解すべきだろうか?』
と彼女らに問いかけなければならなかった。
わざわざ無駄に彼女らの良心をとりあえず信仰してみたかった。
だが回答は、勿論YES肯定その通りだった。
彼女らは顔文字をあまり使わないタイプだから、
そこから感情を伺い知ることは難しかったはずだが、
絶対にこやかに回答していたんだと思えた。
このドSどもめ。
なお、残り一人はモリオウさんだった。
彼とはあまり組んだことは無いが数少ない一般人のはずだ…
「ここは、空気を読んだ方がいいかな?」
…前言撤回。
多数派に屈したようだ。
そうだよな、「殴る側に回ったほうが」楽だもんな。
この場合殴るのは敵なんだけどな。
なんでだろう、私が殴られてる気がするよ。
ホント…なんで私はいつも、こうなんだ…。
後編へ。